街
連合国軍に対する現地民の反応は大体2つに別れた。帝国の圧政からの解放を喜ぶ者、帝国に仇なす連合国軍兵士を罵る者。だが、罵る者達は兵士の後ろにあるLeopardやAMX、プーマを見て皆黙ってしまう。イタリア兵は料理を振る舞い兵士や街の住民をもてなし、フランス兵は絵画や彫刻などの芸術品を見て素晴らしいと褒めたり、イギリス兵は紅茶を飲んだり、アメリカ兵はふざけて星条旗を立てたり、ドイツ兵と自衛官は情報収集に勤しんでいた。
「司令官、ドイツ軍と自衛隊からの報告です。」
「なんだ」
「この国と世界の情勢が大体わかったそうです。まず、今いるところはアイリック帝国といい、アイリック皇帝が統治している国のようです。また、我々「異世界人」は、皇帝一家に伝わる伝説で、とても野蛮な種族で知能がものすごく低い、と言われているそうです」
「ふっ、知能が低い、ねぇ…」
「あと…どうやら''魔法''もあるそうです。ものによっては恐らく500キロ爆弾ほどの威力があるそうです。しかし、発動するためにはどうやら100万人分の''魔力''というものが必要で発動されたのは一回しかないそうです」
「そんなもんか…」
「あと、魔物と呼ばれる危険な生物もいるそうで、ゴブリンだとかレッドウルフなどと呼ばれる生物が生息しているそうです。また、獣人と呼ばれる、耳が猫だったり犬だったり、しっぽが生えている種族もいるそうです。あとそれを知った自衛官達がなぜか狂喜乱舞してました」
「??まぁ、ご苦労。パレードの準備と防衛準備を進めておいてくれ」
「了解しました」
やれやれ…不思議な世界だな…司令官も楽じゃないな…さて、パレードに行きますか。
その日、街で連合国軍によるパレードがあった。AMXー10RCやLeopard 1、プーマ軽装甲車が先頭を飾り、その後ろをハンヴィーやランドローバー、海兵隊員や自衛官がついて行った。街の住民たちはこれに驚愕し、畏怖の念を抱いた。しかし彼らがこの国を皇帝の圧政から解放する、と宣言した瞬間にその思いは吹き飛び、連合国軍兵士を暖かく受け入れた。