【連合国軍】結成。
この戦いをあるアメリカ兵はこう振り返っている。
ーーそこにあったのは、戦闘などといった生易しいものではなかった。
あれは、ただの虐殺だった。
太平洋に轟音が響く。F18が戦列艦を攻撃し始めてから5分ほどだろうか。残る戦列艦は片手で数えられる程に減っていた。普通、降伏すると思うだろう。だが、戦列艦からは白旗は上がっていなかった。いや、正確には上げられなかったのだ。理由は、空母にいて暇をしていた海兵隊がM16を甲板から戦列艦に乱射していたら乗組員が全滅してしまっていたのだ。結果として、アメリカ軍の被害は弾薬が減った程度、対する異世界軍は奇跡的に生き残っていた乗組員数名を除くほぼ全員が戦死というものだった。
アメリカ政府はこの話を聞き、大統領はこう決断した。
「あれは、我がアメリカ軍への攻撃、つまり、我がアメリカへの宣戦布告と同じ。よって、NATOと安保理を結んでいる日本を連れ、【穴】の先へ進み、攻撃した国に対し報復攻撃を行う。」
この決定により、アメリカを主軸とした「連合国軍」を結成。編成はアメリカ海兵隊とイギリス軍を主軸とし、ドイツ戦車部隊やフランス軍装甲車部隊、イタリア軍補給部隊、海上自衛隊の護衛艦2隻となっている。(イタリア軍が補給係なのは、歩兵はアメリカとイギリスで十分、装甲戦力はドイツフランスで足りているため、わざわざ強くないイタリア軍を使う必要がないからである。)
2000年中頃、ついに連合国軍は異世界に繋がる時空の穴をくぐった。
実はこの世界のアメリカ、あまり中東事情に干渉していないので、同時多発テロが起きることは無いのです(アメリカの代わりに中国とロシアが介入した)。
この影響で中国とロシアは中東諸国の反感を買い、石油輸出制限を食らって東側諸国が世界恐慌並みの不景気になっています。