A-10を讃えよ
「こちらナンバー1、作戦空域に到達」
「こちら司令部、了解。そのまま任務を遂行せよ」
「ラジャー」
帝国の経済都市、「フォンスカ」。普段なら何も無い郊外の静かな空はその日は随分と騒がしかった。なぜなら、そこにはアメリカ空軍所属のA-10が10機、飛んでいたからである。
「これより、敵基地に空爆を開始する。全機、攻撃用意!」
10機のA-10が誘導爆弾の標準を合わせ、投下の指示を待つ。
「投下5秒前。4、3、2、1、投下!」
「「投下!」」
ヒュルルルルル…
いくつもの誘導爆弾が甲高い音を発しながら敵基地へと迫る。
「弾着…今!」
ドゴォォォォォ…ン
「ヒュー、とんでもねぇ規模の爆破だな!」
「そりゃ、10機もいればな…」
「さて、案外すぐ終わっちまったから、とっとと帰投するか」
「本当はもっとやりたいですけどねぇ、軍事施設潰したから他に狙うとこないからな〜」
「…そうでも無いぞ、7時の方向見てみろ」
「おやぁ…?これはこれは行進してるじゃあないですか」
「こちらナンバー1、敵の大部隊が進撃しているのを発見。攻撃の許可求む」
「こちら司令部、了解。事故るなよ」
「わーってますよ、新兵じゃないんだから」
「さぁ、行くぞ!」
10機のA-10が敵の大部隊目掛けて飛んでいく。
「ロケット弾、全弾発射!」
シュパパパパパパパ!!
カチューシャロケットも真っ青な量のロケット弾が敵部隊を襲う。だが、案外すぐそれは終わった。ロケット弾が尽きたのだ。敵はここぞとばかりに魔法を撃った。だが、攻撃機で遅いとはいえジェット機。なおかつ地対空ミサイルにすら耐えられる機体「A-10 Thunderbolt」、この程度どうということは無い。
「ハッハッハ!活きがいいねぇ!」
「こちらもお返しと行こうか!」
反転してきたA-10達は敵に対して地獄をプレゼントした。そう、A-10の特徴とも言える30mm対戦車機関砲が火を噴いたのだ。元はソ連の戦車を木っ端微塵にするために生まれたアヴェンジャーが歩兵に対し牙を向いたのだ。どうなったかは言うまでもない。
「うっうわぁぁぁぁぁぁぁ!」
「こっ、こっちに来るなぁ!あぁぁぁぁぁぁぁ…!」
10分後、そこには武器の残骸と''人間だった肉塊''、血しか残っておらず人は文字通り跡形もなく消え去った。
A-10訓
「お早うクソッタレ共!ところでジョナスン訓練生、貴様は昨夜ケンカ騒ぎを起こしたそうだな?言い訳を聞こうか?」
「ハッ!報告致します!磯臭いF-18乗り共がアヴェンジャーを指して『バルカン砲』と抜かしたため7砲身パンチを叩きこんだ次第であります!!」
「よろしい。貴様の度胸は褒めておこう。いいか、低空で殴りあうには1にも2にもクソ度胸だ
曳光弾をクラッカー程度に感じなければ一人前とは言えん。今回のジョナスン訓練生の件は不問に処そう。
だがアヴェンジャーを知らないオカマの海軍機乗りでも士官は士官だ。訓練生の貴様はそこを忘れないように。
ではA-10訓、詠唱始めッ!!!!」
何のために生まれた!?
――A-10に乗るためだ!!
何のためにA-10に乗るんだ!?
――ゴミを吹っ飛ばすためだ!!
A-10は何故飛ぶんだ!?
――アヴェンジャーを運ぶためだ!!
お前が敵にすべき事は何だ!?
――機首と同軸アヴェンジャー!!!
アヴェンジャーは何故30㍉なんだ!?
――F-16のオカマ野郎が20㍉だからだ!!
アヴェンジャーとは何だ!?
――撃つまで撃たれ、撃った後は撃たれない!!
A-10とは何だ!?
――アパッチより強く!F-16より強く!F-111より強く!どれよりも安い!!
A-10乗りが食うものは!?
――ステーキとウィスキー!!
ロブスターとワインを食うのは誰だ!?
――前線早漏F-16!!ミサイル終わればおケツをまくるッ!!
お前の親父は誰だ!?
――ベトコン殺しのスカイレイダー!!音速機とは気合いが違うッ!!
我等空軍攻撃機!機銃上等!ミサイル上等!被弾が怖くて空が飛べるか!!(×3回)