骸骨
「洞窟の奥に部屋を発見。侵入する」
「了解。慎重に侵入せよ」
「なぁ、この扉…」
「UHのドアだよな」
「型式はわからんが…サイドのドアで間違いないだろう」
ギィィ…
「トラップの類はなし、前進を続ける」
「…!?止まれ!」
「誰かいるぞ…司令部、人影を確認した。接触を試みる」
「動くな!手を上げろ!」
SEALSの隊員が呼びかけ続けるが身動き1つしない。
そっと隊員が近づくと…
「…骸骨か」
骸骨が埃を被ったランプのそばで座っていた。
「この骸骨の格好…どこから見てもアメリカ兵のものだな」
「それもベトナム時代の、な」
「本が置いてある…タイトルを見る限り、日記だな」
5月27日
ベトコンと戦ってたらなぜかは知らんがヨーロッパを連想させる平原にいた。小隊の仲間もいない。どうなってんだよ。
「ベトナムで戦って何らかの理由でこの世界に飛ばされてきたのか」
12月1日
皇帝とやらに無理やり連れていかれたが魔法とかが使えないとなると殺そうとしてきやがった。冗談じゃねぇ、死んでたまるか!絶対にアメリカに帰るんだ!
1月15日
食料が尽きた…水はあるが燃料もない。クレイモアで防衛してても餓死したら意味ねぇ…だから、今のうちに知ってる事を書いておく。これを同じアメリカの奴が読んでくれるといいが…
まずひとつ、この洞窟には白鉱石というものがあるが、色々調べて見たら電気を通すと10倍に変換してくれるものらしい。これでもともとは研究者の端くれだったから簡単な実験くらいはできる。
ふたつ、この世界に生えているファイヤーツリーという木は酸素を大量に生成する。繁殖力が弱いが、育てること自体は簡単だ。普通の木と同じことをすればいい。
みっつ、ミスリルという鉱石があるが硬度がとんでもなく硬い。おまけに軽くてヘリの素材にも使えうえ、計算上はブローニングさえも防ぐ硬さだ。この世界はこれは幻の物と言っ
「…ここで力尽きたか。どうか安らかに眠ってくれ…」
ピィン!
ドックタグを外し、黙祷する。