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落ちこぼれ魔法使いコート  作者: アールR
7/8

(7)出会った朝

勝手に教会の食料庫に入り込み、あまりの疲れで寝いってしまったコートは、体を揺さぶられて目を覚ました。同時に人の顔がうっすらと見え、「わー!!」といって驚き、勝手に入り込んだため、とても怒られると思い「すいません、すいません」と繰り返した。


しばらくして起こした人の顔をみると、可愛い少女が不思議そうにこちらを見ていた。


「どうしたんですか?」勝手に入り込んだコートをなじるのではない問いかけに、コートは少しほっとして


「昨夜、ベルグへ向かう山の下りの途中で、雪になってしまい、なんとかここまで辿り着いたのですが、もう一歩も歩けなくなってしまい困っていた時にこの教会を見つけて。すいません、夜中に玄関を何度も叩いたのですが返事がなかったので、敷地の中で雪をしのげるところを探していたら、ここの鍵が開いていたので、中に避難させてもらいました。すいません、すいません、すぐに出て行きます。ありがとうございました。」寝起きのちょっと混乱したアタマでなんとか昨夜の状況を説明したコートは、起き上がろうとしたが、フラフラっと倒れそうになり、床に座りこんでしまった。


「大丈夫ですか?」ソフィアは心配そうに声をかけ、コートの顔をのぞき込んだ。彼女は、コートが真っ赤な顔をしているのに気がつき、その額に手を当てた。凄い熱だった。無理もない、この寒さで何もかけずに寝ていたのだから。


「凄い熱ですよ。少し良くなるまでここでお休みになってはどうですか?」会ったばかりの不審?な男に元修道女のソフィアは天使のような優しい言葉をかけた。


「大丈夫です、このまま出て行きます」と言いかけたコートだったが、立ち上がろうとした時にフラっとして、ようやく自分が凄い熱があることに気がついた。天使のような美しい少女が天使のような優しい言葉をかけてくれて嬉しかったようで、コートは「ありがとうございます。」と言ってしまった。



勝手口からコートを教会の中に案内したソフィアは、1階の客間に連れて行った。「ちょっとここで待ってて下さい」とコートに告げると、台所にマッチと薪を取りに行った。「ふー」といってコートは荷物を床に置いて、立ちつくした。しばらくするとソフィアが戻ってきて、客間の暖炉にマッチで火をつけると、やがて薪に火がついた。部屋が少しずつ暖かくなってくる。


「またちょっと待ってて下さい」そう言うとソフィアは部屋をでて行き、2階にある父のハンスの部屋の扉をノックした。


「お父様、入りますよ」そう言ってソフィアはドアを開けた。司祭である父のハンスは、早、朝急に部屋に入ってきた娘を怪訝に思い、


「どうしたの?こんな朝早くに?」ベットの中で横になったまま尋ねた。


「知らない男の人が、教会の食料庫で行き倒れてたので、客間にお通ししました。服が酷く濡れていたので、お父さまの寝間着をお借りしようと来ました。」


「そんな男を中に入れて大丈夫なのかい?」びっくりしたハンスがすかさず聞いた。


「心配しなくても大丈夫です、悪い人ではなさそうですし」ソフィアは自信ありげに答えると、父のタンスから寝間着を取り出し部屋を出て行った。こうしてはいられないと、ハンスはベットかた起きて部屋着へと着替え始めた。


コートのいる所に戻ってきたソフィアは、さっき父から言われたように悪い人かどうかもう一度見極めようとして、もう一度まじまじとコートの顔を見た。どうやら大丈夫そうだと確信し、「服が酷く濡れているのでこれに着替えて下さい。外にいるので着替え終わったら、声をかけて下さい」そう言うとソフィアはコートに優しそうな笑顔を見せて、部屋を出て行った。


一人残されたコートは、渡された部屋着に着替えようと濡れて汚れた服を脱いで、ソフィアが渡してくれた寝間着に着替えた。服は180cmくらいのコートにちょうどあった大きさだった。着替え終わったので、ドアを開けると、そこにはソフィアが立っていた。


「大きさもちょうどで、大丈夫そうですね」ソフィアは安心したように声をかけた。


「私はソフィアです、あなたは?」


「僕はコートです、18才です。こうみえても一応魔法使いなんです、たいした魔力はないのですが」見ず知らずの自分に、優しくしてくれるこの美しい少女が自分と年が近そうな気がして、少女の年を知りたくなったコートは自分の年を言った。


「あら、なら私と同い年ですね。」キラキラした笑顔でソフィアは答えた。


「お腹すいてますよね。今から朝食を作るので、できたらもって行きますからそれまでベットで寝てて下さい。あとその濡れた服をよければ洗濯しますけど?」コートは目の前の優しくて美しい少女、ソフィアの顔を眺めながら、天使かな?と思った。


コートは客間に戻り、脱ぎ捨ててあった自分の服をソフィアに「すいません、お願いします」と言って渡した。「ではお言葉に甘えて具合が悪いのでちょっと横にならせて下さい、本当にありがとうございました。」深くソフィアに対し一礼し、フラフラとした足取りで客間のベットへと向かった。


コートがベットに入るのを見届けると、ソフィアはそっとドアを閉めた。

天使降臨ですww

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