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落ちこぼれ魔法使いコート  作者: アールR
4/8

首都バズを出る

朝起きたら、雨だった。


昨日泊まった安宿の小さな部屋のベットで目を覚ましたコートは雨音にうんざりした。よりによって旅立ちの日が雨とは幸先が思いやられてしまう。そうはいっても首都バズにこれ以上いても仕方ないので、朝食をすませたコートは雨の中徒歩で城門を出て北方の強国、トラキア帝国との国境の都市ベルグを目指した。


アルカラン王国第三の都市ベルグは大都市である。高報酬を目指してくる高いスキル持ちが多いため、スキルの低いコートでは普通の大都市では仕事にありつける可能性は少ないが、ベルグは国境の都市のため小さな小競り合いのような戦闘は絶え間なく起きていた。魔法学校の授業でそのことを知っていたため、自分にも少しはおいしい仕事が回ってくる可能性を信じてとりあえず行ってみることにしたのだ。


ただ徒歩で行くとなるとおよそ2ヶ月のかかるため、路銀が乏しいコートは途中の村や町で小さな護衛の仕事などをしていくしかない。今日は3月29日、ベルグに着くのはいつになるのだろう。



3月にバズを発ってから、8ヶ月ほどの時が流れ、季節は晩秋を越え初冬に入った。ベルグまでの路銀がなかったため、途中の小さな村や町を巡って路銀を稼ぎながらの旅となったため、ことのほか時間がかかってしまった。


小さな村や町ではコートが本来やりたかった護衛の仕事よりも、農作業の手伝いのなどの方がずっと多かったが背に腹はかえられないため、あった仕事をやってきた。つい先日まで小麦や野菜の収穫を手伝い、少しまとまった収入を得たコートはようやく本来の目的地であるベルグへ向かうことができるようになったのだ。


ただベルグは北にあるため、冬の訪れはバズより2〜3週間早い。木枯らしが吹き始めたため、ベルグに向かう道すがらにある木の葉はすっかり落ちてしまい、もういつ雪が降り始めてもおかしくない天気となっていた。コートは寒さに震えながらも、ベルグまであと2日となる小さな町の宿屋に夕暮れ時に到着した。


「今日は今年一番の寒さだったね」と宿屋のおばさんはコートに話しかけてくれた。

「凄い寒かったです、ほんとに雪がいつ降り出してもおかしくないほどでした。このへんの雪はかなり積もるんですよね?」とコートはおばさんに返した。

「お前さんはベルグに行くのかい?だとしたら、急いだ方がいいよ。このあたりは雪が降り出したらあっという間に1〜2メートルは積もるからね。」


コートは心底もう2、3日早く来れば良かったと思った。


1年かかってやっとヒロインの登場のさせ方を思いついたため、再開します。

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