開会の宣言とダークな気配
約1年ぶりに書きました。
書き方等色々変わってる部分もありますが、更新できるペースで続けていきます。
カガオーナが去り、私たちは開会式の行われる街の広場へとやってきた。
まるでダークチョコ出できているかのようなお城『ショコラティエ』からぐるりと回るように家々が並びその中心には今回のスイーツマジカルフェスティバルに参加するであろう人々が集まっていた。
彼らが見つめる先にあるのは壇上があり、その左側にはいかにもお偉いさんが3人横並びに座っている。
「人がこんなに沢山集まるなんて、すごい」
「当たり前だろ、この国のやつはみんなこのお祭りを楽しみにしてるんだからな」
「それってやっぱりプロの意地みたいなやつ?」
「それもあるけど、この祭りで勝つってことは、王が認めたってことになるんだよ。それはつまりこの国の人達全員が認めるスイーツって言っても過言じゃない。私は、私のことを認めなかった奴ら全員を分からせてやるために出場する。それだけだよ」
道中そんな熱いことを語ってくれるプリンちゃんに心を開いてくれているという嬉しさと、その思いに応えなきゃいけないという不安と緊張が入り交じったぐちゃぐちゃと感情が出てくる。
私は大きく深呼吸して全部飲み込んだ頃には、式典開始の花火が上がっていた。
司会者と思われる女性が現れるといよいよ開会式が始まる。
「只今より、スイーツマジカルフェスティバルの開会式を行います。来賓の方々のご紹介をさせていただきます。マジカランド国王、ウィザルド・シュペルマン様」
司会者がそういうとさっき左側に見えたお偉いさんの真ん中の青年が立ち上がり周りに軽く会釈をする。
オレンジ色の短髪が似合う凛々しい好青年といった印象で、あの若さで国王なんて私には絶対無理!
「シュプリー魔導魔術学園理事長。フレム・ズ・プリシュプ様」
そう呼ばれて今度はウィザルドさんの隣にいた人が立ち上がる。
肩ほどまでありそうな赤髪を後ろで結んでいる色白高身長イケメンという前世の同人誌で見たことあるような姿に夢中になっていると、そのままフレムさんは座ってしまい、司会者が再び話し始める。
「それではルール説明を行います。これから3日間、皆様には各々用意していただいたスイーツを出店で販売していただき、来賓の方々、一般の方の投票の多かったものが今年のスイーツマジカルフェスティバルの優勝となります。また、マジカランド出身の方々の票は例年通り10倍のポイントとなります。以上でルールの説明を終わります。続きまして、開会宣言を行います。ショコラ様よろしくお願いいたします」
司会者がそう言ったと同時に、広場全体に甘く、だけどもどこかピリピリとした殺気に近いようなオーラを感じる。
司会者に呼ばれたショコラ様はまるでアリスのハートの女王のような衣装に身を包んだ小学生ほどの少女が壇上へと軽い足取りで歩いていく。
細く長く伸びた黒髪ツインテールに飲み込まれてしまいそうな真紅の瞳が遠目からでも私の心を掴む。
ショコラ様に見とれていると、壇上に上がったショコラ様が話し始める。
「今日という日を迎えられたこと、私はすごく嬉しく思う。どんなスイーツが食べられるか、みんなの技術の進歩を楽しみにしてるよ。最近どうやろ誘拐事件なんて物騒なものが流行っているようだけど、我が国シュガリーが誇る優秀な捜査官に調査をお願いしているので安心してほしい。この3日間、思う存分スイーツを楽しもう。只今より、スイーツマジカルフェスティバルの開催をここに宣言する!」
ショコラ様の宣言を終えると同時に、今日1番の花火が打ち上がる。それを合図に一斉に参加者は出店へと駆け出す。
「カンナ! 私達も急ぐぞ!」
「わかった!」
私達も置いていかれないように出店へと駆け出す。
ショコラ様が誘拐事件について触れてくれたのが少し嬉しかった。
国の人が動いてるなら大丈夫……だよね?
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「まだ公にしていなかった誘拐事件をこのタイミングで話すなんてほんときもい」
路地からボソリとそんなことを呟きながら、手鏡をクルクルと回し、路地の奥へと消えていくのだった。




