行方知らずのスウィートガール
「ありがとうございます。おかげで元気が出ました」
私はショートケーキを全て食べ終えると、2人に感謝を告げた。
結局ガーちゃんに関する手がかりは見つかってはいない。これからどうしよう。
「まぁ、大切な人だってことは分かった。私からもみんなに頼んで探してもらう。だけど、一つ私の提案に乗って見る気はないか?」
「提案?」
ぷりんちゃんは少し自信あり気な感じでそう言うと、一枚のチラシを取り出した。
それはスイーツマジカフェスティバルのチラシだった。
「私のチームメイトとして一緒にスイーツマジカフェスティバルに出ないか?」
「なんで!?」
私は思わずツッコミを入れてしまった。
全然ガーちゃんと関係ないじゃん。ぷりんさんもしかして私を手伝いに使いたいだけなのかな?
「まぁ話は最後まで聞けよ。この祭りはただのお祭りじゃない。この国の女王であるショコラ様に質問をする権利が優勝したチームメンバー全員に与えられる」
「て、ことは」
「私と一緒にこの祭りの頂点に辿り着けんばあんたの親友を助ける力になるかもしれねぇ。この国でのショコラ様の権限は絶対と言っていいほどに強い」
「わかった。私をメンバーに入れてほしい。絶対にガーちゃんを見つけ出す」
私はプリンさんに手を差し伸べると、プリンさんは力強く私の手を握った。
それからは早かった。
二人でエントリー用紙書き、運営に提出。後は当日に向けて準備を進めるだけだった。
私たちはショトさんのケーキ屋さんの二階にある部屋で会議を進めていた。
その部屋の中心には長机が1つととそれを囲むように4つの椅子があるばかりだった。
「さて、あんたにはスイーツマジカルフェスティバルの概要を説明しないといけないな」
「概要? スイーツを作って人気を競うみたいなことじゃないの?」
「それもそうなんだが、この祭りで一番大事なこと、それはマジカランド出身者からの票だ。この祭りはマジカランドと合同で行われる祭り、招待客であるマジカランドの票が重たいのも当然のことだ。マジカランド出身者の票は10倍の価値がある」
「10倍!?」
私は驚きのあまり椅子から転げ落ちそうになる。
プリンさんはそんな私を見て少し笑うと、1枚の紙を私の前に提示した。
「私たちはこのプリンで勝負する。私の最高傑作でな」
「プリンさんはプリンにこだわり持ってるもんね。私、料理はしたことあんまりないし、プロのプリンさんの意見を尊重するよ」
「任せろ、優勝してあんたの仲間も私の願いも全て叶えてやる」
「ねぇ、前から思ってたけど。あんたじゃなくて名前で呼んでよ。もうチームメイト何だし」
私は少し前から心の内に思っていたことをプリンさんに伝えると、プリンさんは予想外の顔をした。
プリンさんを恥ずかしそうに顔を赤く染めながら、どう返したらいいのか悩んでいる顔をしていた。
もしかして照れてる?
「私はカンナ。今更自己紹介するのなんか変な感じだけど」
「カンナ、覚えておくよ。私もプリンでいい。さん付けってなんかムズムズするんだよ。まさかこんなに長く関わるようになるとは思ってなかったから最初指摘しそびれたけど」
「でもなんか名前と食べ物わからなくなりそうだし、プリンちゃんって呼ぶ!」
「まぁ、それでいいや。これからよろしくな」
「うん! こちらこそ!」
私たちは握手をすると、お互いに名前で呼び合う本当のチームメイトに今なれた気がした。
スイーツマジカルフェスティバルまで後数日。私たちならきっとこの祭りを優勝できる。そう信じて私たちは更に会議を続けた。
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「ん、ん?」
私が目を覚ますと、そこには見知らぬ暗闇が広がっていた。
どうしてこうなったのか頭を回して思い出す。
あれはたしか夜にドーナさんのホテルで眠りについた時のこと、窓をガンガンと叩く音で私は目を覚ました。
隣で寝ているカナちゃんは全然起きそうな気配はない。
私は振り返って窓を見ると、その窓は開かれており、風で白いカーテンが揺れるのが目に入った。それと同時に、窓から1枚の紙が入り込んできた。
「これって」
私はその紙を見て1つの決意を固めると、眠りについた。
そして朝方目を覚ますと、カナちゃんに置手紙を書き残し、窓から入ってきた紙とお金を持ってホテルを後にした。




