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アラモードなホテルにいらっしゃい

「うん、まぁまぁだな」


適当に入ったカフェの中、プリンさんはひたすらにプリンを食べ続けていた。


「それで、プリンさん。どうしてそんなにプリンにこだわるんですか?」


「あ?」


私がプリンさんにそう尋ねると、今から人を殺しそうな目で私をにらみつけてきた。


「ご、ごめんなさい。言いたくなかったですよね」


「別にいいよ。その質問も久しぶりにされたからな」


謝る私に、プリンさんは少し申し訳なさそうにそう述べたかと思うと、スプーンを皿の上に置いた。


「私の名前だからってのもあるが、こんな名前を付けておいて私を捨てた親への復讐っていうのが大きいかな。きっと私を捨てたのは、私がダメな子だったからだろ。だからスイーツでプリンが一番美味しいスイーツだって証明する。そうすればきっと、親も後悔してくれるだろ」


プリンさんは強く、だけどどこか悲しげにそう話した。


「まぁ、2人には関係ないことだよ。私はスウィーツマジカフェスティバルで優勝する。それだけの話だ」


「プリンさん、かっこいい」


「当たり前だ。私はかっこいいし可愛いんだよ」


プリンさんは少し頬を赤らめながらそう言って席を立ちあがった。


「それじゃあ私はそろそろ行くわ」


「プリンさんのこと応援してる」


「プリンさんの過去、教えてくださりありがとうございます。カナちゃん、私たちもそろそろ宿を探しに行きますよ」


わたしとガーちゃんも立ち上がってお会計へと向かう。その途中で溢したガーちゃんの言葉に、プリンさんは何か引っかかったようだった。


「お前ら、宿探してるのか?」


「はい。何も考えずにこの国に来てしまったので」


ガーちゃんは少し申し訳なさそうにそう言うと、プリンさんはニヤリと笑って話を続けた。


「それならいい宿を紹介するぜ。とびっきりにアラモードなとこを」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「着いたぜ」


「なんか、めちゃくちゃキラキラ輝いてる!?」


「眩しいですね。ここが本当に宿なんですか?」


目の前には三階建ての円柱の建物にはこれでもかと電気が装飾されており、クリスマス時期のイルミネーションのようになっていた。


「最高に生かしてるだろ」


プリンさんはそう言って宿の中へと入っていく。私たちもそれに続くように宿の中へと足を踏み入れた。


「らっしゃーい! ってプリンちゃんじゃん!」


宿に入ると、正面の受付から元気な女の子の声が聞こえてきた。


そこにいたのは肩ほどまでのボブカットに、茶色や金の大きな輪のイヤリングを付けた少女がいた。着ている服は熊のような耳が付いたパーカーで、金と茶色で半分に分かれた髪色をしていた。そして喋り方からぎゃるであることがすぐにわかった。


「ドーナ、久しぶりだな。今日は知り合いが宿を探してるらしいから連れてきたわけよ」


「まじぃ! ほーんと助かる。こんなに生かしたデザインなのに全然お客さん来てくれなくてさ」


ドーナさんと言うらしい彼女や、店内には丸が溢れている。そしてギラギラと輝く外観。確かに近づきづらい印象を感じる。


「それじゃあ部屋の方案内するねぇ。プリンちゃんの紹介ってことだからお安くしとくよ~」


「ありがとうございます」


指にかけた鍵をくるくると回しながら私たちにそう声をかけ、ガーちゃんがそれに感謝を述べると、二階の隅の部屋へと案内してくれた。


「それじゃあしばらくの間この部屋を使ってね。料金の支払いは利用終了時にまとめて払ってもらうからよろしくね~」


ドーナさんはそう言って私たちに鍵を渡すと、受付へと帰っていった。


「疲れたぁ」


私は部屋の中の丸いベッドへと倒れ込んでそう吐き出した。


「これからの予定を考えなきゃですよ」


ガーちゃんはそう言って私の倒れ込んだベッドに腰を下ろした。


「今日くらい、何も考えなくてよくない?」


「ダメですよ。それに、カナちゃんはそう言って後でやった試しがないじゃないですか」


「もう、ガーちゃんも一緒に寝よ!」


私はガーちゃんに後ろから抱き着くと、そのままベッドへと倒れ込む。


「も、もう。強引なんですから」


抵抗をやめたガーちゃんを抱きしめ、今日は眠りに堕ちることにした。

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