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私怨と紫炎~悪には悪らしいフィナーレを~

「クルクル野郎、あんたは私が止める!」


私はクルーリに指を突き立てると、そう宣言した。


「何舐めたこと言っているんだ。自分の技が効かなかったことくらい覚えとけよ。お前じゃ俺には勝てねぇよ」


「それはどうかな」


私はポケットから取り出した毒の国の王の証をペンダントにはめ込む。


「王の証。紀伊様が持っていたのか。シビレン。無駄なあがきをしてくれる」


クルーリがそう言っている間に、王の証は、ペンダントにきっちりとハマった。


やっぱり。シゲルがつけてる王の証と、私が貰ったペンダントが似たような形してたから、もしかしてと思ったけど、やっぱり王の証のペンダントだったんだ。


すると、ペンダントが紫色の光を放つ。


「く、なんだ」


クルーリがそう言ったかと思うと、光は徐々に収まる。


「カナちゃん、髪の色! それに目の色も変わってます!」


「え?」


私はちょうど床に散乱していたガラスで自分の容姿を確認する。


「な、なにこれぇぇぇぇぇぇ」


私の赤い髪の毛のインナーカラーが紫色に変わり、瞳の色も右目だけ紫色に変わっていた。


「これが、私?」


「二人揃ってふざけるな。王の証を渡せ!」


クルーリは怒りのままこちらに向かって飛んでくる。私は拳をグッと握ると、これまでよりも力を感じた。


「これなら、いける」


私はクルーリに向かって手を構えると、自然と体の中に流れ込んできたやり方で魔力を放つ。


「パープルボール・イグニッション」


私の手からはビー玉ほどの紫色の炎の玉が現れると、私は手を銃の形にして、バンっとクルーリに向かって打ち出す。


「炎は効かないと言っているだろ! 馬鹿め! これで終わりだ! ブラッドストライク!」


クルーリから放たれた斬撃に、パープルボール・イグニッションは着弾した。だが、ファイヤーボールのようにかき消されることは無く、むしろクルーリの体に紫炎が燃え移り、体全体を炎が覆いつくす形になった。


「うぁぁぁぁぁぁ、なんだ、何だこの炎は。どうなっているんだ」


「この炎は毒を帯びている。当たった相手を燃やし続ける。高火力ではないかわりに全てをじっくりと燃やす」


私は目の前で全身が紫色の炎に包まれ、のた打ち回るクルーリにそう告げた。


「く、そ、ゲフ。覚えて、おけ」


「逃がさないのだ。これで終わりなのだ」


シゲルがクルーリに剣を向ける。


「こんな、はずじゃないんだ。こんな奴らに負けるはずないんだ。王の、証を。よこせ」


クルーリは全身が燃えながらも立ち上がり、こちらに向かってくる。


「カンナちゃんありがとうなのだ。この国のために、カンナちゃんの因縁のために、二人で決めるのだ!」


「おっけい!」


クルーリはこちらにのそのそと執念深く迫って来る。


「アニマリル剣術、六ノ段。獅子乱舞」


「パープルスラッシュ」


シゲルは剣を白く光らせ、私は紫色の炎の剣を生み出すと、二人でクルーリを斬る。


「こんな、はずでは」


斬られたクルーリは体の一部を灰にしながらも数十匹のコウモリとなってどこかに飛び去ってしまった。


「あいつ、また逃げやがった!」


私は思わずクルーリが飛んでいった方向へ叫ぶ。


「でも、これまでより確実にダメージを与えていた気がしますし、次はきっと勝てますよ」


ガーちゃんは悔しそうな私の横に寄り添ってくれる。


「ぎゃぁぁぁぁぁ」


洗脳していたクルーリがいなくなったからか、ブルーラは力を無くしたようにぐったりと城に倒れ込んだ。


「よくやったな、シゲル」


「お、お母さま。怖かったのだぁぁぁぁ」


先ほどまでの頼もしい姿とは裏腹に、子供のようにシゲルはカレの胸の中で泣き始める。


「終わった」


私はそう安堵すると、意識はどこか遠くへと落ちていった。





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