表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
28/43

ドラゴン討伐はRPGの基本でしょうが!

私が王室の扉を開けた時には凄まじい戦闘の後ということが分かるほど、部屋の中は荒れていた。


「炎のガキか。まためんどくさいのが増えたな」


クルーリはめんどくさそうにそう言うと、怒りの籠った眼差しを渡しに向けてきた。


「ガキって何よガキって!」


私はガキなんて言われたのいつぶりだろう。ほんとあいつの顔見てるだけでムカつく。


「くぎゃあああああああああ」


すると、上空からブルーラの鳴き声がドンドンと近づいてくる。


「うっそ、まさかこのまま城に突っ込むつもり!?」


あんな巨体のブルーラが城になんて突っ込んできたら私たちどころか、城が跡形もなく吹き飛んじゃうよ!


「二人とも、ブルーラは私たちに任せてくれないか?」


すると、カレさんがこちらに近づいてきてそう言う。


「ブルーラとの因縁は我々、四聖獣に責任がある。我々が決着をつける」


カレさんはブルーラを眺めながら、決意を込めてそう言うと、倒れ込んでいるゲブさんの方へと近づいていく。


「ゲブ、スザ、起きろ。私たちの三百年にケリをつけるぞ」


「何でも屋の店長!?」


ゲブさんと一緒に立ち上がったのは、孫の手の修理をしていた何でも屋の店長だった。


「確かにただならぬ感じはしてたけど」


そんな光景を見ていると、バンッという激しく何かがぶつかる音と共に、衝撃波を感じる。


「二人とも、話すのは後なのだ。こいつを倒せばブルーラの洗脳も溶けるのだ」


「シゲル!? もう何が何なのかわかんないよ!」


何か今度はシゲルが鎧来てるし、腕が虎みたいになってるし、どういう状況なの!?


「クッ」


シゲルはクルーリの攻撃を剣で受けるが、その衝撃を抑えられず、私たちの方へと飛んで回避する。


「カナちゃん、落ち着いて。今回はフィシュタニアの時とは違う。仲間もいるし、私たちの調子もいい。前よりも強い」


「そうだね、ガーちゃん。行くよ!」


私はガーちゃんの言葉で状況を確認すると、私はクルーリに近づきながら、体の中の力を掌に固めるイメージをする。


「ブースト!」


ガーちゃんは後方から私にバフをかけてくれる。さっきよりも体の中に力を感じる。


「ファイヤーボール!」


私は何倍にも膨れ上がった力を一気に叫びながら打ち出すと、巨大な火の玉がクルーリに向かって飛んでいく。


「ブラッドストライク」


クルーリはもう見切ったと言わんばかりに、表情も変えずそう詠唱すると、巨大なファイヤーボールを真っ二つに切ってしまった。


「嘘!?」


私が驚いている間に、高速でクルーリが飛んでくる。


「君の技はもう効かない。ブラッドストライク」


私が気がつく頃には、クルーリは目の前で技を詠唱し、振り下ろすところだった。


「白虎神速、なのだ」


クルーリが放った一撃は、同じく高速でクルーリの腹を殴ったシゲルによって回避された。


「シゲル、つっよ」


何、今の技。私、全然見えなかった。あれが王様の力……?


「王子風情が。もう王の証を貰うだけでは気が済まん。殺してから奪ってやるよ」


クルーリに爽やか雰囲気はもう残っていなかった。白い肌の顔には欠陥が浮き出ており、怒りを隠しきれなくなっている。


「僕一人なら、きっと勝てないのだ。だけど、今は仲間が、カンナちゃんたちがいるのだ!」


シゲルはクルーリにそう叫ぶと、次の技を構える。


「もういい、ドラゴン、全て壊してやれ」


クルーリは手を上にあげると、手をクイっと動かして命令を下す。


「ドラゴン一匹に、複数人で戦う。RPGの基本プレイだね」


私は思わず昔やっていたRPGゲームが頭をよぎる。ドラゴンって普通にやっても高火力でレベルも高いから正面突破するのって結構難しかったんだよね。だから毒とか凍らせたりして、頭使って戦ってたな」


「カナちゃん、何言ってるかわかんないですけど。このままじゃ建物が持たないです!」


ガーちゃんの叫びでふと意識を現実に戻す。ドラゴンを止めるためにはクルーリを倒さなきゃいけない。でも、ファイヤーボールは効かなかった。どうすれば。


「くるぞ!」


カレさんの叫び声と共に、ブルーラは口からエネルギー弾を吐き出す。勢いよく吐き出されたエネルギー弾は城壁を更に破壊した。


「なんて威力なのだ。城がボロボロなのだ」


ブルーラの侵入と技を受けて、もう城は瀕死に近かった。


「火が効かないなら、どうすれば」


私は何かないかとそんな言葉を吐きながら、ポケットに手を突っ込むと、小さなかけらの存在を思い出す。


「そうか、それならいけるかもしれない」


私はふと思いついた作戦に少しニヤリとしながらも、実行するためにクルーリの方へと一歩踏み出した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ