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あの手この手孫の手のことは長老に聞け!

「ほう、このアイテムの名前をご存じとは、お目が高いですなぁ」


サイズ自体は小さいもの、私の目の前にあるのは孫の手そのままだった。むしろ何を改良してたのこれ!


「はい、一応」


「ガーちゃん、この世界の記憶はほとんど無くしてしまったと思いましたが、このアイテムのことは覚えているみたいですね。そう思うとこのアイテムに負けたみたいでいやですね」


何故か孫の手に焼きもちを焼いているガーちゃんを横目に、私は話を続ける。


「この孫の手を長老さんのところに持って行けばいいんですね」


「そうじゃ、あやつはこれがないと落ち着かないようでな。最近ワシに催促がすごくての。ワシが本当はもって行った方がいいのじゃが、怒っている時に会うと手をあげてくるのがあいつでの。だから依頼を出したんじゃよ」


少し悲しそうな顔をして語るおじいちゃん。もしかして今から会う長老ってDV気質のやばい人!?


「で、この孫の手はどこを改良したの?」


孫の手を知っている私からすれば、見た目だけはただの孫の手に過ぎない。一体何が違うのだろうか。


「ふむ、ここを押すとな。自由に長さを変えられるんじゃ」


おじいちゃんはそう言うと孫の手の持ち手部分に隠されたボタンを押す。すると孫の手は音もなく長くなり始めた。


「すごい! おじいちゃんがこれ作ったの!? これなら痒い所にすぐ届く!」


「ほっほっほ、すごいじゃろ。あの手この手理由をつけられては改造させられとるのじゃよ。というわけでこれを長老の元にお願いできるかな?」


おじいちゃんは私に孫の手を手渡す。


「必ず届けます!」


「あの、おじいさま。長老様がいる場所って地図を見る限り森の中ですよね?」


私はガーちゃんが隣で見ている地図を見る。


私たちがいるなんでも屋ファミリエがあるのは、国の門から真っすぐ続く繁華街の中に位置している。その中にはエグラムールもある。


少しばかり道が分かれていたりもするが、まっすぐ行くと私たちが泊まったお城に着くみたいだった。その奥側、地図の半分には殆ど建物の記載がされていなかった。


「これ、全部森なの?」


私は驚きが隠せずつい言葉を溢す。国の塀の中に森があるなんて聞いたことない。しかも半分も森だなんて。


「獣の国じゃからな。この国の住人が獣人だけとは限らんのじゃ。この国は元々すべての獣の楽園だったのじゃからな」


「楽園だった。ということは今は違うのですか?」


ガーちゃんは少し食い気味でおじいちゃんに尋ねる。


「そう、じゃな。まぁ少し昔に色々あったのじゃよ。奴隷などが生まれてしまったりしたのはそのせいもある」


「私、知りたい。どうしてこの国がそうなったのか」


私の言葉におじいちゃんは「うーん」としばらく悩んだ後、口を開いた。


「そうじゃな。それについては長老に尋ねるといい。その手のこともきっと詳しく教えてくれるはずじゃ」


「わかりました。行こう、ガーちゃん!」


「はい……」


私はガーちゃんにそう伝えて店を出る。ガーちゃんは少し元気がなさそうだった。



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