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魔女の呻きVol:6



竜司が、酔った峰香を介抱しながら、

タクシーに乗せた見送った後、帰宅した。



「疲れた...。」



そのまま倒れ込む様に、寝てしまった。



そしてまた、竜司が、ハッとして目覚めると、

メタセコイヤの木々が立ち並んでいる、



広場にあるベンチに、気づけば、座っていたのであった。



「来ましたね。」



聖女も、相変わらずだ。



しかも、竜司の隣で、まるで魔法書の様に、

分厚い聖書を読んでいる。



夢の世界だからか、古代魔法や禁断魔術を

研究していると言われても、不思議ではない。



「はぁ...やっぱり...。」



見慣れた光景を前に、竜司は、

自らの当たった予感に、嘆息した。



「という事は...。」



「はい、松本峰香さんです。」



ーーまだ何も言ってねぇよ...。



阿吽の呼吸の様に、次のターゲットの話に進む。



こちらも変わない、竜司の一人ツッコミ。



「竜司さんは、すでに彼女の問題を

ある程度は、分かっているとは思います。」



「そうですね...。」



お酒の席であれ、竜司は、峰香の言葉の端々から、

彼女の異常性を感じ取っていた。



「今回の任務ですが、前回のゆきめさんの時よりは、

闇が浮かびやすいので、攻略は容易いでしょう。」



ーーホッ...良かった...。



竜司は、ラクなミッションになるのではと、胸を撫で下ろす。



「ただし、厄介な面もあります。」



聖女の続きの言葉を聞くまではだった。



「それは、彼女の年齢です。」



「正確に言えば、彼女の積み重ねてきたモノ、

人生経験や価値観、思考、信念...。」



「それが、竜司さんの障害となるでしょう。」



「人間は、歳を重ねていきますと、

己のモノに固執しやすいです。」



「気づけば、それらに縛られ、がんじがらめになっています。」



子供の時は、何でも吸収する、柔らかいスポンジ頭だ。



しかし、大人になるにつれ、

いつしか、カチカチの石頭になっている。



たった一つの意見の違いでさえ、争いが生まれるのだ。



現実の峰香は、そうした頑固者の例であろう。



ある意味、竜司は、彼女との

ジュネレーションギャップと

対峙せざるを得ない。



ーーメンドクセェ...。



竜司は、つい、彼の父親の事を思い出す。



彼の父親は、まさに絵に描いた、バイアス人だ。



凝り固まった思考や偏見の持ち主で、枚挙にいとまがない。



男尊女卑、一つの会社勤めが当たり前、

学歴主義、年功序列、体罰、暴力...etc



旧時代の人間を、今でもなお、地でいく人種である。



それを嫌という程、竜司は味わされた。



年代が違うとはいえ、きっと、峰香も同様だろう。



竜司の眉間には皺が寄り、煩わしい思いが滲む。



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