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魔女の呻きVol:4



竜司が、松田峰香とイタリアンレストランに

到着してからおよそ15分後、



彼女の酔いはすぐに回り出し、饒舌に話し出す。



いわゆる、恋バナというモノのだ。



しかし、その実は、恋愛経験豊富なお局様の話に、

童貞、経験ゼロ、チェリーである竜司が、

相槌をうちながら、聞いているだけである。



ーーよくもまぁ、そんなベラベラと...。



頼みもしないのに、峰香は、彼女自身の

男性遍歴を語り出すではないか。



竜司は、むしろ、彼女の舌がよく回る事に感心していた。



正直、内容はどうでもよかったのだが、

今後の為の情報収集の気持ちで聞いていた。



だが、マシンガンの様に、次から次へと話は止まらない。



「あのね、私の彼氏が...」



ようやく、過去の話から、現在の恋愛の内容になった。



ーーなんでこうなるの...!?



ここまでの話で、トータル1時間は過ぎていた。



竜司は、彼の人生でこれ程の、厄日に遭うとは

思いも寄らなかった。



酒で酔っていようが、相手は、会社の上司だ。



ウッカリと刺激しようものならば、

彼女のご機嫌ダイナマイトが点火され、

竜司は、社会的に抹殺されてしまう、



危険ゾーンと今、1ミリ単位で隣り合わせなのだ。



だから、彼女の身の上話を聞くという

カードを切るのが、竜司の精一杯であった。



だが、同時に、峰香の素性を知り始めている。



危険な橋を渡っている事に変わりはないが、

彼女を手なづけ、情報を得るチャンスでもある。



そのギリギリのラインを、竜司はどこか楽しんでいる節がある。



ヤリ○ンに遊ばれて捨てられた話、

結婚手前で破談になった話、フラれる度にやけ酒や

散財、傷心旅行に出かける話、家庭環境の不和...etc



濃い話が故に、あっという間に時間が過ぎていた。



「あっ!ごめんね...私ばかり話していて...。」



一瞬、我に戻る峰香だったが、竜司は我関せずの態度を取る。



「全然、お構いなく、それで、今の彼氏さんは...?」



逆に、火に油を注ぐ形で、彼女に続きの話を

お酒を注ぎながら、促した。



「そうそう...それでさ...。」



「私、今、25歳位したの彼氏がいて、

あっ、外国人なんだけどさ...。」



いきなり、特ダネのニュースを暴露する、峰香であった。



ーーマジか...。



竜司は、開いた口が塞がらなかった。



噂には聞いていたが、どうやら本当だった。



社内の噂では、松田峰香は、歳下の男性しか興味がない様だった。



それも、自分よりも、1回りも、2回りもだ。



彼女と同世代、あるいは歳上の男性とも

交際経験はあるのだが、話が合わないらしい、



彼女は、好奇心の豊かで、感性も現代的だ。



だから、いつも会話は噛み合わず、彼女の方から振るそうだ。



逆に、自分よりも若い人達との方が話が合い、

いつも、歳下の男性をターゲットにしている、



その一人が、竜司の同僚の武田だった。



おまけに、彼女の実年齢を知らなければ、

30代には間違われる程、美容への意識は高い。



その上、今は、自分よりもふた回りもした男性、



しかも、お相手は外国人だ。



「英会話教室の先生でね、話を重ねる毎に仲良くなったの。」



竜司の中では、国際ロマンス詐欺を疑ったが、

交際のキッカケや時期、彼の素性、そして、

写真も見せてもらった。



ーー本当なんだな...。



ひとまず、竜司とはタイプの異なる、異質さを、

松田峰香は持っている事を、竜司は感じた。



しかし、話はここで収まらなかった。



「けどね...彼って、童貞なんだ。」



「だから、私、彼の初めての女になろうと思ってるの。」



ーーブフォ!!



竜司は、おかわりで飲んでいたお茶を、盛大に吹き出した。



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