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天秤Vol:7



他のクラスメイト達が、転校生の竜司に、

視線を向ける中、聖女だけは、我関せずだ。



まるで、彼女だけ、その場にいない様であった。



あのカリスマ性抜群、廊下を歩けば、

男が振り向く美貌の持ち主、



だが、彼女の存在は、誰にも、悟らせていない。



いや、誰も、気にも留めていないの方が、正確だろう。



見事に、この世界のモブキャラとして、

聖女は、入り込み、振る舞っていた。



ーー何も、一緒のクラスになる事もないだろ...。



竜司の方はいうと、新手のイジメの手法かと、

聖女のサイコパスさに、もはや、感心していた。



頼りになるが、何をしてくるのか、全く読めないのだ。



彼にとって、聖女が、このクラスで際立って印象だ。



竜司が教壇に立つと、教師が、言葉を発した。



「今日から、このクラスで一緒になる...」



「山川涼太さんです。」



「皆さん、仲良くしてあげてください。」



事前に、聖女が設定した偽の名前で、紹介された。



「それでは、涼太さん、窓側の空いている

席に座ってください。」



教室に入った段階から、見えてはいたが、

あのサイコなマリアさんのお隣の席だ。



ーー冗談キツいわ...。



顔が暗くなりそうな竜司であったが、

この美少年フェイスで、根暗な表情が出ると、

その違和感で、彼の正体に気づかれかねない。



そうなると、この教室にいる全員の格好の的だ。



なるべく、イケメン的な役割を演じようと、

竜司は、笑みを崩さず、席に着いた。



「それでは、授業を始めていきます。」



竜司が、着席した後、授業が始まった。



仮初ではあるが、彼が楽しめなかった、

学園生活を追体験する事になった。



ーーまぁ、悪くは、ないかな...。



真隣にいる人を除いて、竜司は、

この顔を利用して、彼が享受できなかった

学生としての生活を楽しもうとした。



授業が終わり、昼休みになった。



すると、生徒達(主に、女子生徒達)が

竜司の元に集まってきた。



学生時代、決して彼が経験しなかった、ハーレムだ。



ーーイケメンってこんなに得するのか...。



自分自身では、感じ得なかった立場に、

竜司は感心した。



「出身どこ?」



「お昼ご飯、一緒に食べない?」



「ねぇねぇ、LINEを教えて〜」



よってたかってくる、JK達に

面食らう竜司であったが、何とか、

一人ずつ対応していた。



その中で、一人だけ、目立つ女子生徒がいた。



日焼けしたと思わせる褐色肌、

極端に短いスカートに、胸元を空けて

着崩したシャツ、そして、金髪の髪色、



いわゆる、ギャルだ。



明らかに、目立った格好をしていた。



「涼太君、かっこいいね。」



初対面なのに、馴れ馴れしい態度であった。



竜司は、このタイプの女性は苦手だ。



どう対応すればいいのか、戸惑ってしまう。



他の女子生徒からの敵意を感じて、

若干、背中から汗が流れ始めた竜司、



だが、その直後、このギャル女子高生の言葉で、

竜司の思考が、吹き飛んだ。



「私、ゆきめ。」



「古田ゆきめね、よろしく、涼太くん。」



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