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日常Ⅰ:Vol2












「..............。」











再び、竜司は、目を覚ました。



今度は、彼がいつも住んでいるマンションの部屋、

そして、ベッドで寝ていた。



「やっと...戻ってきた...」



まだ眠ってから、さほど時間が経っていないのが、

容易に想像がつく程、暗闇の景色だった。



現実世界の時計は、竜司が二度寝して、目覚めるまで、

ほんの10分しか経っていなかった。



「まだ、こんだけしか時間が経っていないのかよ...」



一度、竜司は、経験したからわかってはいたものの、

やはり、二度目でも、この感覚に慣れなかった。



あれだけの長く、辛かった夢の世界では、

数年経った様な、時間感覚だった。



一方で、いざ、現実の世界に帰還、



たったの10分か、そこらで片付つけられている、



「何か、理不尽だ...」



竜司は、ちょうど、勤務している会社を思い出した。



数日かけて作り上げた提案書を

上司に提出したら、「やり直せ」の一言で、

ゼロにされ、白紙にされる、やるせなさ、



ニガい、思い出が蘇った。



「...便所に行こう。」



二度も、同じ晩で目を覚まし、あまり

気分が良いモノではなかった。



気持ちをリセットする為に、尿意はないが、

とりあえず、竜司はベッドから起き上がり、

トイレへと向かった。



ーーそれにしても...。



竜司は、見逃さなかった。



聖女が、銃を取り出し、遠慮なく、弾を撃つ時、



明らかに、口角を上げ、笑みを浮かべながら、撃ってきたのだ。



「ヤバい人に絡まれた...」



竜司の中で、サイコパス聖女のイメージが確立された。



それはさておき、最後の言葉も気になった。



「一体、現実がどう変わるっていうんだ?」



確かに、彼は夢の中で、血を流し、

意識も絶え絶えになりながらも、

己の闇に立ち向かい、母親を乗り越えた。



その事で、一体、現実にどう影響を及ぼすのか?



聖女との別れ際に、彼に伝えられた内容は、

何を意味するのか?



まったく、竜司には、検討つかず、想像だにしなかった。



「寝よ...」



用を終え、竜司は、考えるのを止めた。



それよりも、明日も仕事があるのだ。



「二度寝して、寝つきが悪くなって、

遅刻してしまいました!」



公衆の面前で、恥ずかしくて言えない。



すぐに、またベッドに戻り、

竜司は、ハッキリと覚えていた夢を

幻かの様に忘れ去り、眠りについた。



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