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ファーストミッションVol:25

11/21アップしました!



「うぅ...」



全てをやり終えた反動で、緊張の糸がこと切れた。



竜司は、その場に崩れ落ち、倒れ込む。



ナイフ刺された箇所から流れる出血がひどく、

意識を保っていられるのが、やっとだった。



いや、もう限界は、とうに超えていた。



マンションやその周りの土地や建物も、

彼が倒れると同時に、砂の様に崩れ始めた。



つまり、今回のミッションの終わりを告げる。



夢の世界も、その役割を終えたのだ。



竜司は、顔を上げる気力もなく、周囲で

何が起きているのかさえ、気づいていない。



瞳の輝きも失せ、瞼も徐々に閉じ始めていた。



しかし、彼は、笑っていた。



意識が途切れつつある中、口角だけは、自然と上がっていた。



ーーあぁ..終わったんだ...



長年の呪縛から解き離れた実感、



やっと、取り戻した心の平和、



悪夢からの覚醒、



その全てをやってのけた。



人生で初めての、達成感を噛み締めていた。



そして、「生」というモノを味わっていた。



「悔いは...ない...」



もう周りの音も聞こえず、瞼も閉じられ、

ブラックアウトする寸前であった。



にも関わらず、彼は、「死」を穏やかに、迎えていた。



心置きなく、やり切った実感があるからこそ、

出てきた、最後の言葉であった。



竜司の意識は、そこで、途切れた。












「おかえりなさい」












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