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かいぶつVol:13



「ここか...」



10分後、



5mは超えているであろう

大きな門がある場所に辿り着く。



なぜか、息を絶え絶えにしながらだ。



道中のことである。



歩き出した直後、小さなトラブルメーカーに

道を尋ねようとした時であった。



ーーこの道をゆけばどうなるものか...

行けばわかるさ!バカやろうー!



まるで、首から赤いタオルを巻き、

両手でこする勢いで、イタズラ小僧が

叫び出したのだ。



ーー誰かいるぞ!ピピー!!



人気のない場所で、響き渡る声を出すモノだから、

開始早々、絶体絶命のピンチになりかけていた。



ーーバッカやろうー!あとで闘魂ビンタだ!



ーーへっへー!



急ぎ小脇に、子供を抱え、より暗い路地裏へと

ダッシュで駆け込んだ竜司、



闇夜に紛れながら、なんとか辿り着いたのだ。



現在、警戒アラートは、100点中、99.99、



つまり、警戒レベルはマックス、厳戒態勢に置かれている。



閑静な住宅街の中で、一際、大きく、

豪邸の名にふさわしい居を構えている

物件がある。



そこが、今回のターゲットのいる屋敷である。



通常であれば、問題なく侵入はできたであろう。



だが、隣にいる、いつ爆発するかわからない

時限爆弾式のもう一人のリュウジのお陰で、

シナリオは、大きく加筆・修正せざるを得なくなった。



門の前には、銃を持った迷彩柄の武装した

エージェント達がウロウロとしている。



数メートル間隔で、サーチライトが置かれ、

監視の目を光らせている。



文字通り、アニメの世界の怪盗劇を演じるハメになったのだ。



ーーさて...どうするか...。



聖女と同じく、この未確認生命体ともいうべき、

新種のウイルスを持った少年への耐性、



つまり、少しずつ対応には慣れてきたものの、

やはり、今までとは、勝手が違い、情報がない。



どうするか思案していた時であった。



「はい♩これ♩」



少年リュウジが、手にUSBを、竜司に差し出していた。



以前、聖女が、渡してきたモノと同じ、

エメラルドグリーン色で、発光している。



「お姉ちゃんに、これを竜司さんにってさ!」



「それ、早く言っとけよ...。」



「忘れてた!アイムソーリー!ユー総理?」



「韻は踏まなくていいし、俺は、大臣でもねぇよ。」



冷静にツッコミを入れながら、

竜司は、発光したUSBを、こめかみに挿入する。



ーーカチャン!



あいも変わらず、痛みもなければ、

何かハマった体感もない、不思議感覚である。



その直後、



『それ』がインストールされた事を理解した。



そして、次に取るべき、指針となる行動も。



「おい、クソガキ。」



「うん♩」



子どものリュウジはすでに、答えがわかっているのであろう、

ニコニコとしながら、体を揺らし、彼の言葉を待っている。



ーーったく、鬱陶しい位に、あの人と似ている...。



憎らしい程に、この少年の聡明さは、

あの聖女と重なるのだから、手強い。



陽キャなサイコパスという、新たなタイプの人種、



ポケモン図鑑なるモノがあるならば、

このチビ助は、新しく登録されているのかもしれない。



竜司は、苦笑いしながら、聖女との経験も

決して、ムダになっていない事を体感した。



「お前に、全部任せた。」



「ミッションのゴールは、お前が描け。」



「リョーカイ♩おまかせあれ、魔王さま!」



「今夜のオレのショーをとくと、ご覧あれ♩」



もう一人のリュウジが、今回のミッションの要である。



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