時代に色褪せないもの
時代はいつだって流れるもので、ヒトは常に時代の流れに適応を強制される。
『俺は時代と寝る』、そう呟いた人がいた。
俺はそんなのはごめんだ。世界には星の数ほど女がいて、だったらたまには浮気も悪くないと思う時もある。だけど時代は唯一の存在だから。
時代に変えはない。
まるでどこぞの宗教のように唯一神の如く世界に誇らしげに時代は君臨する。
だからだろうか、彼はまるで共産国家の独裁者の如く時代は俺に忠誠を求めてくる。そんな肩肘張った生き方なんて俺はまっぴらゴメンだ。
浮気心はあっても俺は女を裏切らない、俺の忠誠は女に預けてあるから。
「はーああ……」
俺は深いため息を吐きながらタバコの煙をゆっくりと吐く。煙で輪っかを作って、その輪っかに銃弾を撃ち込む。
俺は俺だ、金輪際、一生涯賭けて宣言しよう。俺は俺を変えられない。変える気もない。ベッドで吐息を立てる女を裏切ろうとは思わない。
スースーと吐息を立てるコイツはそんなダサい俺をいつだって受け入れてくれた。ならば最愛のコイツがどう変わろうと俺は止めない。
それが俺なりのコイツへのケジメだから。
「俺はお前に感謝してるよ」
俺は箸置きにそう呟いてキスをした。
俺は箸、日本文化の象徴だ。




