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とある御伽噺
昔々あるところに貧しい働き者の女の子がいました。彼女は家族のために朝から晩まで貴族の屋敷で侍女として働いていました。
ある日、屋敷で一番高価な壺が割れてしまいました。当主は怒り狂って犯人を探しました。そんな当主に意地悪な侍女が犯人は女の子だと嘘をつきました。当主は女の子を地下牢に閉じ込めました。女の子はまったく身に覚えがないと言いましたが当主は聞く耳をもたず彼女を折檻します。絶望して、涙する女の子。そんな女の子の前に一人の騎士が現れました。彼は王子に仕える騎士で、以前屋敷に訪れたことがありひそかに女の子が想いを寄せていました。突然現れた騎士に驚く女の子に、騎士は「あなたを助けに来ました」と告げました。どうして、と尋ねる女の子に実は一目惚れしたのですと騎士は告白します。二人は互いに想いを寄せあっていたのです。
そうして、騎士により助け出された女の子は、二人で遠くの地へと逃げ、幸せに暮らしましたとさ。めでたし、めでたし。