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32.
急に全身が震えだしたイワンは、服の中に隠し持っていた短剣を抜くと、ドミトリーに飛びかかった。
しかし、ドミトリーは素速く身をかわし、イワンの短剣を持つ方の腕を手刀で叩く。短剣を床に落としたイワンはドミトリーにつかみかかろうとしたが、後ろに飛び退いた彼の左右から躍り出た兵士たちに取り押さえられた。
「無能な放蕩王子はこの国の恥じゃ!」
抵抗するイワンの叫び声に、頭を掻くドミトリーは、「まあ、それは否定はしないが」と前置きし、
「だからって世継ぎを殺す理由にはならんだろうが? 爺さんが王位を乗っ取るってーのが本音じゃねーのか? つまり、俺を亡き者にした後で父上の寝首をかくとかな」
「ぬぬぬ!」
「顔に書いてあるぜ。衛兵! こやつを投獄しろ!」
なおも暴れるイワンは、屈強な兵士たちに引きずられるように部屋の外へ連れ出された。




