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11.
ディミトリみたいに首輪を付けて紐で引っ張り連れ歩く。それは、どこに首があるのかわからないし、首輪が体に飲み込まれそうだ。
愛おしい物のようにスライムを抱きかかえる。なんか、そうしている自分の姿が不気味に映る。
自分自身がスライムの上に乗って車代わりにする。これは、潰れるというか、尻がスライムの体にめり込みそうだ。
ならばと思いついたのは、体重の軽い猿のディミトリをスライムに乗せることだった。
移動するスライムの上に猿がちょこんと乗っていれば、怖いと思わないだろう。案外、そう言う姿が可愛いと思えてくる。もちろん、可愛いのはディミトリの方だが。
「うん、採用決定」
「なんか、さっきからニヤニヤしてこっちを見ていたから、心配したぜ。何を考えていたんだ?」
「気にしないで。さ、練習しましょう」
「おう。よろしくな」
「こちらこそ」
「その前に……」
「何?」
「なんでもいいから、食わせてくれ」




