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敵地

 伝説に謳われた、世界の最果てにある島。

 思っていたよりずっと世界は小さかったのでしょうか。最短距離で、たったの3日でここまで来てしまいました。その3日間だって船の中にいただけですから、実質何もしていないのと同じです。

 一応は作戦を立ててみようとしたものの、結局のところは先手必勝。作戦も何もあったものではありません。

「なんだか寝起きに奇襲するみたいで気が引けませんか?」

 確かに不意打ちなんて勇者に相応しくはないかもしれませんが、そんなことは言っていられません。百年の眠りが永遠の眠りに変わったところで、大した違いはないでしょう。


 空は夜でもないのに薄暗く、遠くで雷鳴が響いています。いかにも、という空気の中

「おおっ、雰囲気ばっちりですねー」

 ……ここからはお気楽な船乗りの皆様には動向をご遠慮願い、船で待機していただくことにしましょう。一般の方を危険に晒すわけにはいきませんし、万が一帰りの船がなくなってしまっては私たちも困ります。この先は秘儀だとか、故に人目に触れることは避けたいとか、それらしいことを言うと納得してくださいました。

「エステラ様!」

 動揺が皆に伝わらぬよう、レニさまが小さく声を上げます。その指さす方向に、魔獣とおぼしき影が走り去るのが見えました。遠目ではありましたが、ガイドのどこにも記されていない型の魔物でした。

――私たちを誘っている。

 何故そう思ったのかはわかりません。けれど、地図の指し示す方向とも一致している以上、選択肢は他にありません。


「後を追いましょう」



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