第4話
これは、偶然なのか。必然なのか。
私の隣の席に、今朝のあの人。
うれしい。これから毎日顔を合わせるんだ。
向こうから話しかけてくれた。
道案内をした恩返しをしたいそうだ。別にいいのに、、、。
でもせっかくだから、この人が困らないような、かつもっと仲良くなれるようなことをお願いしよう。
お昼を一緒に過ごしてもらおう。
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毎日昼休憩を一緒に過ごすことで、恩返しは落ち着いた。
私としては、もう少し妥協してほしかった。
とりあえず、お互いに自己紹介をする。
「私は、山田美咲。よろしく」
「、、、藤堂ミナ」
こうやって改めてちゃんと話してみて、わかったことがある。
彼女は、あまり表情を変えない。
お昼を一緒に過ごしたいと言われたということは、嫌われてはいないはず。
なのに、彼女はピクリとも表情を動かさない。
もともとそういう子なのだろう。
声の調子もずっと同じ。正直、感情がわからない分、少し関わりづらい。
でも、悪い子ではない気がする。
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今日、転校生が来た!
挨拶は不愛想で、このクラスに馴染む気はないらしい。
でも、どこか違和感があった。
どこか、といわれたら、よくわからない。
ただ、あの子の本質は別にある気がする。
少し探りを入れてみるか。
「山田さん~」
「、、、」
朝礼後、さっそくクラスの皆に囲まれている彼女に近づき、声をかけた。
が、無視!や、あたしだけが無視されているわけではない。
どうやら、彼女は誰の声掛けにも応じていないようだ。
クラスメイトも困惑しているみたい。
彼女は、眉を吊り上げ、いかにも不機嫌な感じ。
でも、やっぱり違和感。なんだろう。
、、、ま、いっか。あたしには関係ない。