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不良なんて怖くない  作者: らおねん
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第3話

「今日からこの神嶌女学園の2年A組に新しい友達が増えまーす。はい、自己紹介よろしく!」


「、、、山田美咲です。よろしく」

朝からテンションの高い担任に促され、無愛想な挨拶をする。


「こわそー」

「無愛想な方ね」

「不良、なのかな」


初めの反応としては悪くないと思う。これが私の求めている反応だ。

これならわざわざ私に近づいてくる人は、、、。


ん?一番後ろの席に見覚えのある人影、、、。


「じゃあ、山田さんの席は窓際の一番後ろだから」

「あ、はい」


その席は、あの人影の隣、、、。


近くまで行くとはっきりわかった。

今朝、理事長室まで案内してくれた子だ。

その子が机に突っ伏して寝ている。


ど、どうしよう、、、。

同い年だとは思っていなかった、、、。ましてや、同じクラスなんて。


この子となら、関わりたいとは思ったけど、同じクラスなら話は別。

ここで、関わりを持ってしまったら、前の高校の二の舞になる。


恩を返すだけ返して、あとは無関係になってしまおう。


「あ、あの、、、」

周りに聞かれないように、小声で話しかける。


「ん、、、」


今度は一度で起きてくれたみたいで、身じろぎをして、目だけで私を見る。

瞬間、驚いたようにガバッと起き上がり、私をまじまじと見た。


私は、相手が声を出そうとしているのを遮った。


「今朝はありがとう。助かったよ。、、、それで、その、恩を返したいんだけど、、、」


彼女は目を丸くしたまま、じっと私を見ていう。


「、、、じゃあ、お昼寝しよう」

「、、、え?」


私はまた彼女の言っている意味が分からなかった。


「お昼、一緒にご飯食べて、一緒にお昼寝しよう。毎日」

「ま、毎日?」

「そう、だめ?」


恩返しを済ませて、すぐ一人になるつもりだったのに、毎日なんて無理、、、。


「あの、毎日はちょっと、、、」

「なんで?」


畳みかけられる。


「え、と。な、なんとなく?」

「じゃ、OKね。それじゃ、今日からお昼は一緒」

「え!?ちょっ!」

「恩返し」

「う、、、わかった」


最後は彼女に押し切られる形で私の彼女への恩返しは「毎日お昼を一緒に過ごす」というものになった。

決死の思いでほかに何かないのか?と尋ねるが、彼女ははっきり「ない」といった。

一体、どういうつもりなのだろう。


初めの私の決意はどこに、、、?はぁ、、、


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