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お前らいい加減にしろっ(A)  作者: 加賀函館
第5章 皇紀2600年記念大観艦式
61/72

058話

 それは突然の事であった。

 あのアメリカが、何の前触れもなく接触を図ってきたと報告が上がったのだ。

 かの国に潜ませている党員からも、アメリカが我が国に興味を持っていると報告が入った事から何かあるだろうと予測された。

 更に探りを入れると出所不明のドイツ軍の戦力配備状況と、装備の性能表が今回の接触の直接の原因であると判明した。

どうにか戦力配備状況だけは諜報する事が出来たが、性能表はできなかった事もあり、アメリカの話しを聞くだけは聞く事にしたのだった。

 ドイツが再軍備宣言をして数年経つが、技術国家と言うだけはあり性能は高いものが多い。

 そのドイツに、ある程度の性能低下に目を瞑ると言う妥協を見せつけたのが、憎き日本共和国だった。

 日本共和国はあの代物で、妥協しているそうだが信じられない。

なら、本気を見せた場合はどうなってしまうのであろうか。

残念だがその答えは、未だに世界に示されてはいないのである。

 あの満州戦で見せた航空戦でさえ、本気ではない。

と英国で行われた観艦式に参列した、戦艦ガングートの政治将校はそう報告をまとめている。

 写真撮影の許可が下りていたため、多数の日本共和国艦の写真が存在しているのだが同じ物を作るのは不可能と科学者達は口をそろえている。

革命的科学技術力があれば、可能であろうと激励して再現を急がせている。

「同志諸君、では報告を聞こうではないか」

 淡々と報告する者、勇ましく報告する者、怯えながら報告する者と様々な報告が聞かれるが、一様に要訳すれば『進捗状況は宜しくない』であろう。

 このままでは、全員木を数える仕事に送らざるを得ないだろう。

「報告いたします。中華民国に潜ませていた諜報員から、朝鮮国境に日本帝国の新型戦車が配備されたと報告がありました」

「新型かね」

「はい。ハニとは異なる様です」

 早急に新たな報告をあげる様に命令した。

ただ、現在判明している事は少しばかり報告に上がった。


名称:97式軽戦車ケハ

耐久:不明

重量:25t前後

防御:不明

武装:

45口径75mm砲×1門

機関銃×3丁

乗員:3名


 技術的な事はよくわからなかったが、武官が言うには中口径対戦車砲並の装甲貫通能力を持った砲を装備しているそうだ。

 では、ハニはどれ程分かっているのかと言えば。


名称:99式軽戦車ハニ

耐久:不明

重量:30t以内

防御:不明

武装:

52口径105mm砲×1門

機関銃×1丁

25mm機関砲×2門

ロケット弾発射機×4門

乗員:不明


 ハニに比べれば随分見劣りするが、それでも他国にとっては十分な脅威であろう。

このハニは朝鮮半島だけでも600両にも及び、本土には更に多くが配備されているであろうと予想されていた。

 このハニを超える戦車の開発が急務であり、妥協を許す事が出来ない状況でもあるのだ。

 だが、基礎技術が不足しているために本来起こせるであろう革命的奇跡を発揮する事が出来ないと報告をした者が現れた。

 明らかに周囲の者が身構えているが、その男に再度目を向けて問う『基礎技術を固めれば、革命的技術を発展できるのか』と。

 男は自信があると言い、ドイツの拡大政策に対抗しようとする国と交渉を持って学ぶべきだとも主張した。

 中々面白い男だが、残念ながらわが国にはこの様な男はいらない。

今は許して、後で始末する事にした。


「君は僕を殺すのかい?」

 そう夢にうなされた。

 あの男を殺させた後、ずっと見続ける事となった夢だ。

「残念だけれども。今も夢の中だよ」

 あの男が目の前に現れ、そう言った。

それに枕元に控えさせていた拳銃を向け引き金を引くが、男は動じた様子もなくその場に立っていた。

「何も怖がる事は無いさ、同志スターリン」

「君に同志とは言われたくない」

「なら、そう言った演出だと思えばいいだろう。しかし、この姿では初めてであるにもかかわらず、よく僕だと分かったね」

「君は誰だ。私は知らん」

「おや?知らないで粛清したと?そうかそうか、それはまた面白い。ならお教えしよう、僕はいや、私は『主に仕えし者エデン・カラドルド』。度々君に予言を行っていた者だよ」

 その言葉によって目の前の男が、あの悪魔だと思いだす。

「もうこの際、悪魔でも構わないよ。さて、僕がこうやって現れたのには理由がある」

「……」

「君に、アメリカと交渉して貰いたいのだよ」

「……」

「アメリカも欧州の状況を傍観しているつもりは無いのだけれども、ILLの干渉の前には国民感情に左右されるアメリカ政府では押しが小さい。だから、ソ連にその役目を担って欲しいのだよ」

 案外まともな事を言う。

身構えていただけに、拍子抜けしそうではあった。

「最終的には、アメリカも対日参戦を行うだろう。そのためには、ある程度の戦力を揃える必要性がある。交換条件に技術の譲渡を入れておく様に。そうすれば、僕の奇跡によってドイツに勝てる戦車の設計を与えよう」

「悪魔が奇跡を?面白い冗談だ」

「なら、本当に現実のものになったなら、その戦車に『スターリン( I S )』と名付ける様に。ふふふ、楽しみだねぇ……」

 男はそれだけ言うと、姿が見えなくなってしまった。

それを探そうと体を起こすと、自室であった。

 一体、何だったのかと思う他無かった。


 外交官同士の会合では、あの悪魔が言っていた通りアメリカは戦力の拡充を行いたい様であった。

 大変癪だが、技術の供与を条件にアメリカに試験場を提供する事となった。

 まずはフィンランドへの侵攻から始まる。

フィンランドは他国から兵器を寄せ集めて運用しているが、その中にはドイツの兵器も交じっていた。

 多数の戦車を同時投入して攻め立てるが、航空機によって上空を押さえられ攻めあぐねている。

 敵が使用している戦闘機にもドイツの戦闘機Me(Bf)109が混じっており、これが強敵であったのだ。

変わりダネとして、日本帝国の93式重戦闘機と言う旧式機が混じっている。

 ただし旧式機とは言え、20mm機関砲と13.2mm機関砲を4門ずつ搭載する複葉機である。

 戦闘機であるにもかかわらず、30kg爆弾を20発搭載できるそうで、簡易襲撃機として使用されているそうだ。

 そのため、7.7mm機銃を搭載したトラックを多数用意して防御に務めてはいる。

ただし射程が不足気味であり、有効とは言い難いとアメリカ軍人が報告している。

 そう言うアメリカは12.7mm機銃をハーフトラックへ搭載したそうだが、数を揃えなければやはり友好的とは言い難いそうだ。

 ただし、それは93式に対してであり他に関しては十分であった。

やはり、日本共和国の技術が使用された物は要注意だった。

 そんな報告書を読みながら、新型戦車の試作車が完成したと報告が上がる。

悪魔は本当に奇跡を起こし、この世に重戦車を発現させてしまったようだ。

 ハニを粉砕する事を目的とした122mm砲を搭載した重戦車。

IS-1と名付けられた新型に、量産ではなく更なる研鑚を積ませる。

これで撃破できるかどうかは全く分からないが、少しでも役に立つものである必要があったからだ。

 あれ以来悪魔は姿を現していないが、また現れそうなそんな気がしてならないのであった。


 日本帝国の艦隊が、ファスサ・アメリカーナの艦隊と合同軍事演習を行ったと報告が上がる。

正直なところ海軍の情報はあまり必要ではないが、出向してきているアメリカ人が騒いでいる様だ。

 それもその筈で、ハワイの哨戒網を掻い潜ってファスサ領レビヤヒヘド諸島にて行われたのだ。

そうでなくとも、太平洋にはイギリス領やフランス領もあるのだ。

その各国でもこの情報は、驚きを持って迎えられている。

 この演習では揚陸艦による上陸戦を想定した演習と言う事もあり、最新鋭の戦車。

つまり、97式軽戦車ケハや98式中戦車チハが参加していた。

 その他にもファスサの5号戦車M型マルヌも参加したと発表されており、それなりの注目を集めていた。

 公表された写真などから予想される2種類の新型は、


名称:98式中戦車チハ

耐久:不明

重量:30t前後

防御:不明

武装:

65口径88mm砲×1門

機関銃×3丁

乗員:不明


名称:5号戦車M型マルヌ

耐久:不明

重量:50t前後

防御:不明

武装:

55口径105mm砲×1門

機関砲×2門

乗員:不明


となっていた。

 マルヌに関して言えば、IS-1とほぼ同じ重量を持つと予想され、防御と機動力を強化したタイプではないかと予想されている。

 だが、このマルヌの恐ろしいところは、対空攻撃力が凄まじく高いと言うところであろう。

 大量の機関砲弾を高度1300m程度までばら撒く能力のある高性能機関砲を2門装備している。

この機関砲は25mmであり、日本共和国の戦車が搭載する機関砲も同口径であった。

そのため、少なくともこのくらいの口径でなければ、上空防御には向いていないと言う事であろう。

 早速試作を命じた。善は急げと言うので。


ヨシフおじさんっぽくないけれども、ヨシフおじさんです。


















































































































































































































































(中身まで一緒とは言っていない)

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