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お前らいい加減にしろっ(A)  作者: 加賀函館
第5章 皇紀2600年記念大観艦式
57/72

054話

第10艦隊の中枢である2空母の艦長・副長の紹介。


内容がヒドイ?さて、何の事だか…。

 翌日、起床ラッパと共に起き、身支度をしていると黒島が司令長室へと入ってきた。

本日は、艦隊全体の結束の為驗龍にて催し物があると言われた。

 邪魔するのは悪いかとも思ったが、黒島が腕に絡みついて来て上目遣いしてきた。

ああ、一緒に行きたいのか…。

 しかし黒島。君、最近俺との仲を男女の仲と勘違いしていないか?

職務を怠慢している訳ではないので、大きく忠告する事は出来ないが、どうしてこうなった。

 分かったので手を離しなさいといい、身支度を終わらせ先ずは司令室へ向かう。

何か入電が無いかなど、確認しなければ仕事は始められない。

本来ならば補佐官がいて集めさせるのだが、俺はそう言うのがあまり好きではないためいても足を運ぶのだ。

 補佐官達には代わりに司令室での仕事を任せ、緊急時に早急に連絡が取れるように命じている。

その代わりに、本来は参謀である黒島がいつも傍らにいる訳だ。

 あ。もしかして、黒島がこんな風になったのはこれのせいか?

これは、改善するべきかもしれないな…。

最悪、アレにも行けないかもしれないからな…。


 司令室に入り、補佐官達に何か変わった事は無いかと確認をする。

とは言え、平常通りと言う返答を受ける。

当然と言えば当然だが、今はまだ国家間の緊張があっても、軍を動かすステージに達してはいないのだから。

軍を動かすのは、政治家の働きに左右されるからだ。

 現在の我が国の政治は、日本共和国に握られている事もあり、国際社会からの圧力と言うモノの影響を良くも悪くも余り受けてはいない。

 人は1日にして成らず。

そう言われるが政治を行う官僚もそうであり、10年以上経った現在でも官僚の研修は続いていると言う。

 日本共和国本土では、学べないと言われて衛星国に送られて大変苦労していると聞く。

彼らには気の毒だが、これも国の為だ。

 今の平和を満喫しようとするか。

そう思っていると、周りの目が俺に集まっている事に気付いた。

 何事かと思っていると、後ろから黒島に手を引かれる。

あの視線は、早く行けと言う合図だったのか。

そう思いながら手を引く黒島の後ろ姿を見ると、何か色々とふっ切れた様であった。

 なので艦長室に忘れ物があると言って、艦長室に立ち寄らせた。

「どの様なものでしょうか…」

 扉の前から離れない黒島を呼び寄せ、土産として購入した髪飾りを渡した。

一瞬、何を渡されたのか理解できないと言いたげの顔をしたが、付けてやろうと言うと爆発するように耳まで真赤になった。

「はわわわわ!」

「以前の時の礼だ」

 彼女には、思い当たる事がないのか慌てたまま固まっているが、実家に帰った時の礼をまだしていなかった。

する(いとま)もなく、英国に派遣されてしまったのだから仕方ないだろう。

 ただし、こんな贈り物をするのだから君に興味があると言っている様なものなので、固まってしまっているのは当たり前か…。

親父の言うとおり、彼女が嫁に来るなら嬉しいと思う。

それに、彼女の為に人間をやめても…。

 いや、まだ先の事だ。今は、何も言わないでおこう。

「ああ、やはり似合うな」

「あ、あ、あ、あ、あ、あー!」

「ん?」

 何か言おうとした事は分かったが、それが言葉になる前に黒島は限界を超えてしまったらしく、その場に倒れ込んでしまったのであった。

完全に崩れ落ちる前に抱きかかえたが、それでも重い。

 体重がと言う訳でなく、気絶した人間は重心が定まらないために実際の重量よりも重く感じるのだ。

 仕方なく、彼女を背中に背負い驗龍に向かう事にしたのであった。

しかし、うむ。背中が幸せだな!


 この艦隊の日本人率の低さを今、改めて実感したところであった。

一体、どこからこんな多種多様な人員を集めてきたのかと不安になる程度であり、ある意味称賛を贈るべきだろうと思った。

 どれほどかと言えば、ロシ…ソ連系、中華系が最も多く、東南アジア系、太平洋諸島系、朝鮮系の順に多い。

多い理由は分かりきっており、第10艦隊に配属された艦が全て新造艦だったからだ。

 新造時の乗員こそ、日本人であったが引き継ぎが行われていった結果が今の状態なのである。

将来的には、朝鮮や太平洋の島嶼は国家として独立させると公表されており、その軍人の育成も兼ねてのこの大量採用であった。

 ソ連系や中華系は、今後の事を見据える者や国が生活を保障するために入隊したものが多いだろうが、日本共和国の厳しい目からよく耐えたものだと感心したのだった。

 飛行甲板に到着した俺は、ゴロリと黒島をリノリウムが敷いてある上に寝転がせた。

ペチペチと頬を叩くが幸せそうな顔をしているので、近くにいた者に番を任せて金田を探した。

 ただ、すぐに見つかったがな。

金田を中心に酒盛りが行われており、各々の出身地の酒が振る舞われていた。

 完全なちゃんぽん酒で、源田参謀を含んだ司令部の皆は既にぐったりしている。

「羽生司令~!助けてください!」

 涙目で駆け寄ってきて俺の後ろに隠れた青年将校は、瑞龍の艦長である朴凛緋(パクリャンピン)中佐だった。

かなり若く…、いやまだ31歳だから相当若いだろう。

 本来彼は陸軍の軍人なのだが、陸軍艦隊構想の余波を受けて、同期数名と共に海軍に編入された経緯を持っている。

故郷では、大陸人初の空母艦長として有名だが小心者である。

ただ彼は成績優秀者で、瑞龍が教えがいがあると悪い笑顔を浮かべていたのを記憶している。

 そんな朴艦長を追いかけてきたのが、瑞龍副長の王季六(オウキムロ)少佐と瑞龍であった。

その両手には、酒の入った杯が握られておりあの瑞龍が酔っぱらっていたのであった。

これは、アカン奴だな…。

「かんちょぉお?もっと、おさけをのんでもいいのよぉ?」

「ご遠慮させていただきます!もう、これ以上飲むと倒れてしまいますので!」

 この場は無礼講となっており、上官部下の区別は無いがもう少しぐらい飲んでやればいいのにとも思う。

と言うよりも、こう言うのは倒れてナンボと言うものだ。

 ん?急性アルコール中毒撲滅運動?あー、あー、ソンナノシラナイナー。イイネ?

「もしかして、くちうつしがいいのかしら?」

「ちょちょ、私には妻がいます!やめてください、瑞龍さん!」

「ぁあ、すっっっごくそそるわぁ、そのかお…」

「やめてください!本当にぃ!」

 流石に押し倒す形になったので、瑞龍は引き離したが王副長を止める人間がいなかった事もあり、見たくもない男同士の熱烈な口づけを見る羽目になってしまった。

 ちーん。と効果音を付けるべきだろう状態となった朴艦長はそのまま甲板に沈んだ。

乱れた服を直そうともしない瑞龍は、今度は源田参謀の方に近付いていき無理やり酒を飲ませているのが見える。

「これは酷い…」

 今度は頬を赤く染めた驗龍と、それに引き摺られて驗龍副長のユリエスティヴ・レズツキー少佐が現れた。

レズツキー副長は、ソ連系らしく酒に強かった筈だが既に泥酔状態になっている。

「てーとくぅ!おひさしぶりれす!」

「君も酔っているのか…」

「これがよっぱらうって、ことなんれすにぇ!たのしくて、たまりましぇん!」

 こちらがドン引きしているのに気がつかないのか、ケラケラと愉快そうに笑う驗龍。

その彼女に彼はどうしたのかと聞くと、金田とどちらが酒に強いか競いあった結果こうなったと言った。

「れんれん、つよくなっかったれすよ~?」

「それはそうでしょう。ソ連人の飲む酒は蒸留酒です。清酒や濁酒に彼らは滅法弱いのですよ」

「くろじょー、おひさー!」

 そこにようやく復活した黒島が、驗龍に理由を話す。

そう言うモノなのかと関心していると、レズツキー副長の顔が青くなり始めたため介抱する事に。

 甲板の端が近かったことも幸いして、七色の液体(ゲロ)の処理もしなくて済んだのは幸いであった。

「あとは~、わたしがやりましゅ。お2りは、ほかをみてきてくらひゃい」

 元気よく手を振って俺達を見送る驗龍。

非常に不安になるが甲板のところどころで同様の酒盛りが行われているため、声をかけるのは藪蛇であった。

 これは戦略的退避である。

そう心に言い聞かせて、黒島と共に改めて金田の元に向かうのであった…。


 既にヒドイ事になっているのは承知だったが、男女を問わず見るも無残な事になっているのは想定外であった。

 何故、下着姿なのだ!?まった、それ以上いくない!

黒島に彼女を止めるように命令するが、横合いから現れた憲兵に止められてしまった。

 あんたらもかよ!

黒島とほぼ同じ姿の機人となった憲兵が数名、大きな杯を持って対峙してきた。

しかも、完全に酔っぱらっているため容赦がなかった。

 あっという間に揉みくちゃにされた黒島は、健闘空しく酒の海に沈んでしまったのであった。

「ひさしいですなぁ~」

「私に、憲兵の知り合いはいない筈だが?」

「ああ、その通りですな。ですが、黒島大佐と共にいて思い出しました。貴官はあの時、私のところに彼女を迎えにきたではありませんか。とね」

「な、にぃ……。ま、まさか、あの時の憲兵少佐?」

 いつの間にそんな姿になったのかとも、何で陸軍がこんなところにいるのかとも。

思うところは多々あったが、状況はかなり悪い。

「ええ、その通りですわ。現在は、南洋省で警察幹部を務めさせて頂いておりますわ」

「仕草やらなんやらが女性のそれで、ドン引きだよ…。この変態」

「ああん!その様な事を言われては、濡れてしまいますわよ?」

 確かこの人、俺よりも年上だったよな…。やめてくれ…マジで……。

そう、考える暇もなく周囲には酒瓶を両手に持った数名が取り囲んできた。

 一体どんな試練なのだとツッコミを入れたいが、一斉に飛びかかってきた以上手加減はできないと拳と足を使って切り抜くしかないだろう……。

 だが、多勢に無勢。

たった1人でこの人数は無理であったので戦略的転進をして、ダキオン艦長と共に呑み直す事にしたのであった。

 黒島?ああ、取りあえず持って帰ってきたが、また幸せそうな顔をして寝ているので放置してある。

 最終的に宴会は次の日も続き、それはそれは大変な事になったのは言うまでも無かった。

 俺は知らん。

と言う事で憲兵殿を憲兵隊に突きつけて、宴会の後片付けを手伝わせ今回の終わりとしたのであった。


おさけははたちになってからのみましょう。


いっきのみやむりないんしゅのあっせんはやめましょう。


きゅうせいあるこーるちゅうどくになったばあいはただちにきゅうきゅうしゃをよびましょう。

とくにいしきがないようならよこにねかせてあたたかくしておきましょう。


ほんとうにきけんなのでやめましょう(切実)

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