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この度もお読みくださり、ありがとうございます。

翌日の陛下や殿下、大臣たちの朝議が終わった後にリカルドはジョゼフと共にルーカス王太子殿下の執務室に呼ばれた。


「昨日のフィルダナ親子の話を聞いた後に念のためにもいろいろと調べたが、彼らと神聖派の関わりはないことが証明された。学友に聞いた噂話に出てきた『乙女』の特徴が従妹のユリアーヌ・オルスターに当てはまり、エリックは彼女の身を案じるあまり真相を確かめるべく行動をしてしまったということだ。」


殿下が2人にそう伝えれば、ジョゼフが殿下に確認する。


「ユリアーヌ嬢は先日王立図書館に採用された女性で、アーノルド・オルスター総務官のお嬢さんなのですね?」


「ああ。アーノルド・オルスターの娘で、2ヶ月ほど前に図書館の受付係に配属されているな…なんだ、随分と詳しいな。私の手元に先ほど資料が届いたばかりだというのに。」


「私はまだ面識はありませんが、リカルドは既に顔見知りのようです。」


リカルドは余計なことを言うな!という目でジョゼフを睨む。


「ははは…さすが優秀な諜報部員だ。しかし驚いた!リカルドが他人と…しかも女性と親しくなるとは珍しい。私も人に本を取りに行かせるばかりしないで、たまには図書館に足を運んでみよう。」


殿下はリカルドに笑顔を向けながら言った。

リカルドはその話を聞いて、まだ王太子と彼女が面識のないことにホッとしながらも、ジョゼフの話で殿下が彼女に興味を持ったのではないかと冷や冷やしていた。


「今回の件にもちろん彼女は関わってはいない。しかしエリックによるとサン・ジーノ教会内部で黒色に近い髪色の女性を方々から捜しては、連れてきているというのを教会の下働きから聞いたそうだ。王都よりも地方の女性が多いようなので今まで表ざたにならなかったと思われる。まずは確認を取るために、各地へ隠密調査員を出発させた。」


「では我々はいかがいたしましょう?」


「神聖派が黒髪の女性を形代に復活させたい『アマリリア神』だが、まずはその目的だ。そして貴族かそれに準ずる金持ちが関係していて、大きく金も動いているはず。その洗い出しをして欲しい。更には連れてこられた女性たちのその後も知りたい。」


「「承知いたしました。」」


「それから神聖派はまだオルスター嬢の存在を知らぬようだが、それも時間の問題だ。稀有な存在の噂は早く広がる。彼女の身柄の安全も確保しなくてはならない。しかし大げさな警護はかえって他人の興味を引き、彼女を危険にさらすことになりかねない。」


殿下は腕を組んで暫く考えを巡らせると、


「リカルドに彼女の警護を命じる。方法は任せるが警護をしていることを他人に気づかれないように。」


リカルドは自分を指名した殿下の命に驚いた。


「畏まりました、務めさせてもらいます。」


そう言って忠誠を誓う礼をしてその命を受けた。


「リカルドへのアドバイスを一つ。ユリアーヌ嬢本人に接触する前にアーノルド・オルスターにことの経緯と了承を得た方が無難だぞ。」


殿下は意味ありげな微笑みを浮かべながら言った。


「ははは、リカルド健闘を祈る!」


リカルドには殿下の言わんとしていることがよくは分からないが、まずは父親であるオルスター総務官のところへ行けということだな…と理解した。


王太子殿下の率いる極秘の特別調査チームとなるので、調査に必要なことが手続きなしでできる王太子の印章が彫金された札が2人に渡された。

そして、二人はそろって臣下の礼をとり部屋を後にした。

少し短めかな?と思いましたがきりがいいところで切らせてもらいました。


拍手の方へコメントをくださっている方、本当にありがとうございます。

とても嬉しいです。返信をしたいのですが拍手の㏋の返信の仕方が分からず(返信できるのかすら分からない状態で(-_-;))申し訳なく思っています。

大切に読ませてもらっています。

ありがとうございます!

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