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旧・病みパで始める終焉物語(エンドシナリオ)  作者: 紅暮
第0章 病みパができるまで
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苦病(クヤ)む青年

この話の前の部分までの誤字などを修正しています。

今後もそうなると思いますがよろしくお願いします。

俺が部屋に入ると……


「ん? やあ、君が最後のメンバーだよね?」


青年が眩しい笑顔で声をかけてきた……

青年は金色の髪に翡翠の瞳で、服装は白シャツに黒のズボンと.割とシンプルなものだ。


「ああ、シラカゼという。これからよろしく」


「俺はフィリユス。よろしく」


青年は右手をだしてきた。

しかし、俺がいつまでも手をださない様子を見て、悲しそうに笑って手を下げた。


「とりあえず、今は挨拶だけだ。ではな」


「ちょっと待って」


左腕をつかまれた……今日は本当によくとめられる。


「何だ? まだ何か用か?」


「まあほら、君の事をもう少し知りたいからさ。ね?」


「そうか。だがあと3人いてな、お互いの身の上話は後にしてほしい」


「行かないで」


「何でそんなに止めるんだ?」


「だって……寂しいからさ……」


そう言って、無理に作った笑顔を向けてくる……イケメソめ、普通にムカつく……


「そうか。だが俺は別に寂しくない。というわけで、次に行くから手を離せ」


「そっか……君もやっぱり俺を置いていくんだ……でも、行かせないよ」


俺の腕をより強くつかんでくるフィリユス……普通に痛いんだが……


「俺は男に手をつかまれる趣味はないんだが?」


「ダメ…行っちゃだめだよ、行かないでよ‼ 俺の傍にいてよ‼」


その目は虚ろで光がない。既に正気ではないようだ。


「はあ、面倒だな……」


「何で? 何で俺を拒むの?」


「普通に嫌だからだが?」


「あはは……そっかそうだよね? でも、行かせないよ? 俺と一緒にいよ……ずっとね?」


「何が『ね?』だよ。人の話を聞けよ」


「だからさ……俺と一つになろ……ね?」


「あ、ああ……ちょっと急用をだな「逃がさないよ」


流石に身の危険を感じたのでドアへと手をのばす……が、また腕をつかまれてしまった。


「やめろ! だから俺はそんな趣味はないって言ってるだろ‼」


俺は必死にドアへ手をのばす。


「大丈夫。痛くしないから……ね?」


「だから、何が『ね?』だよ! 全然大丈夫じゃねーよ‼」


「ああ、もう我慢できないよ! 早く君を食べたい‼」


「もういい‼ ヤられる前に、殺ってやるよ」


俺は腕を無理やり振り払い、やつと対峙する。


フィリユスはナイフを抜き、シラカゼに切りかかった


「な……俺の能力が効かない……何で? 何でだよ‼ うぅ……」


それは一瞬だった……

俺はフィリユスの能力を防ぎつつ、ナイフを避けて鳩尾を殴った。


「ああ、確かにお前の能力は強いよ。あんなの普通は凌げない」


俺はドアへと向かった。


「うっ……待って……俺は、俺はただ……」


「じゃあな」


今度こそ、俺は部屋を出た。



※ ※ ※ ※ ※ ※ ※



俺が部屋を出てドア閉めると……


「お前は男なのに、女みてぇなことしてんじゃねぇよ」


喧騒が聞こえてきた。見ると、ヴェリアと少女が言い争っているようだ。

少女の髪は短めで、色素が薄い緑色だ。瞳の色は橙色。服装は上は黒のジャケット、下はショートパンツにブーツを履いている。


「うるさいな~君の方こそ、女の子なのに、男みたいじゃん」


「そりゃそうだ。俺は男だからな‼」


「どこが? じゃあその胸は何?」


ヴェリアが指を差した方向には、たわわに実った果実があった。


「はっ……胸があろうが、ブツをぶら下げてなかろうが、俺が男であることにかわりはねぇ。お前こそ、男のくせに女装なんてしやがって、それでも、男か?」


「僕が女装しようが、何しようが自由でしょ? 他人の事にいちいち口出ししないでくれるかな?」


互いに睨み合う二人。

俺は神様の方に近づいた。


「はあ……ああ、シラカゼ君おかえり……」


さっきの件で愚痴るつもりだったが……どうやらそれどころではないらしい。


「何だこれ?」


「あの子は、ディアニス。体は女の子なんだけど、中身が男の子なんだ」


「元から男だったのか?」


「いや、初めから女の子なんだけど……自分は男だと言っていてね……」


「で? なんで、ヴェリアとケンカしてんだ?」


「それが、どうやら男なのに、女の子みたいなヴェリア君のことが気に入らないみたいで……」


「それでケンカしてんのか」


「ねぇ、君ちょっと止めてきてよ」


「はあ? なんで俺が? めんどい」


「だって、さっきから僕の話聞いてくれないし……」


「そんなの知らん。どうせ放って置けばそのうち収まるだろ」


「でも……」


その時だった、何かが俺の足をつかんだ……

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