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旧・病みパで始める終焉物語(エンドシナリオ)  作者: 紅暮
第0章 病みパができるまで
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世話を病む淑女

俺が部屋に入るとそこには……誰もいなかった。


「……どういうことだ?」


俺はとりあえず部屋を出た。


「誰もいないんだが?」


「はあ……彼女なら、君がヴェリア君と話している間に、リリィちゃんの部屋に行ったよ」


「なんだ、それなら早くそう言え」


「もう、僕はそんな横暴な子にしたつもりはないよ」


「別に、育てられた記憶はない」


「育ててなくても、造ったのは僕だよ。つまり、産みの親だよ」


「産みの親より育ての親……産んでも育てないなら、親を名乗る権利はないね」


少なくとも俺はそう思う……


「もう、あー言えばこう言う……」


神様は諦めたように言った。

シラカゼが一瞬だが、遠い目をしたのに気づいたからだ。


「とにかく、俺は行く」


俺はまた、リリィの部屋に入って行った。



※ ※ ※ ※ ※ ※ ※



「ねぇ? リリィちゃん、お姉さんと遊びましょう?」


「あの……やめてください……あっシラカゼさん」


俺が部屋に入ると赤髪の女が少女に絡んでいた。


「……何度も悪いな。お取り込み中のようだから、俺はこれで……」


「待って‼ 助けてくださいよ‼」


「ん? そうか、んじゃ」


そう言って、ドアを開ける。


「えっ? ちょっとまt「おーい、ヘルトゥナ~不審者がいるn「ちょっと待ってーーー‼」


少女は少年が出て行くと思い、再度止めようとしたが、どうやら杞憂であったと知り、安心した。

一方、女の方は少女のセリフを代弁し、全力で少年とドアの方に走りドアを閉めてこちらを向いた。


「何をしているの、君?」


「通報」


「やめてよ‼」


「はあ……面倒なんで、とっとと捕まろうか? 不審者さん?」


「嫌よ‼ ていうか、私不審者じゃないわよ」


「じゃあ、ロリコン」


「ちがうわよ‼ っていうかさっきと大差ないじゃない‼」


「じゃあ、もうめんどいから変態でいいや。んで変態、話を進めたいんだが?」


「はあ……だから違うわよ。私は、シエリア。あなた、最後にきた子よね? よろしくね」


「ああ、俺はシラカゼ。よろしく」


さて、シエリアの見た目はというと、髪と同じ赤の瞳を持ち、服は白のシャツで黒に赤と白の模様がはいったスカートをはいている。


「ところで君……フフ腐、なるほどね……」


と言いながら、神様に折角綺麗に造ってもらったであろう顔に、気持ちの悪い笑みを浮かべてジロジロとこっちを見てくる変態。


「エル×シラ? いや、フィリ×シラかしら? うーん……あえてシラ×エルとか、シラ×フィリというのも……腐腐腐腐腐」


とよくわからんし知りたくもない、不快極まりないワードを言いながら妄想にふけるシエリア……


「んじゃリリィ、俺次に行くから」


「ちょっと、待ちなさい‼」


「なんださっきから? もう、次の部屋に行きたいんだが……」


「私も行くわ」


「そうか、来るな」


「何でよ?」


「ウザい、キモい、不快の三点が揃ってるから」


「ちょっと、流石に言いすぎよそれ。だいたい理由も、まだ言ってないのに」


「聞きたくもないね」


そう言って、シラカゼは部屋から出ていこうとする。


「ちょっとまt……「ガンッ」


シエリアが、待ってと言おうとしたところで、すごい音がした。

振り替えると……


「どうぞ、シラカゼさん次に行ってください」


そう言うリリィの手には、どこから持ってきたのだろうか? でかいモーニングスターが握られている。……なぜ、あんな華奢な体で、そんなものが持てるのだろうか? 一方、シエリアは床に倒れていた……もちろん、頭から出血していた。


「ああ、助かった」


しかしそれを見てもノーリアクションの少年……

っとそこで、少年の足がつかまれた。


「まっ、まだよ……まだ私はy「ガンガンガン……」


そして、再度無情にも振るわれる鉄槌……しかも今回それは、何度も振るわれた。

しかし、それでもシエリアは原型を留めている……本当にしぶとい。


「よし、これでいいでしょう。では、今度こそ行ってきてください」


と、良い仕事をしたとばかりに満足気な少女。


「ああ」


俺は今度こそ部屋を出た。



※ ※ ※ ※ ※ ※ ※



「何か騒がしかったけど。大丈夫?」


「ああ、特に問題はなかった」


実際は問題しかなかったが……


「そう……じゃああと4人のところに行っておいで。あーあと次の子からは気を付けなよ?」


「ん? 何かあるのか?」


「ちょっと、扱いづらい子達だから」


「そうか……まあ、何とかするさ」


そして、次の部屋へと入った。

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