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旧・病みパで始める終焉物語(エンドシナリオ)  作者: 紅暮
第1章 はじめてのおつかい
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ただの聖女?

「はあ……」


なんでよりによってこの人となんだ……


「では静かに侵入しろ」


「行くぞフィル」


「あ、はい」


エルさんの後に続いて俺も中に入った。


「ここは?」


「玄関だな」


「へー」


「そこにある階段から2階に上がれ」


「了解」


言われた通りに階段を上がると……


「え? なにこれ?」


そこには廊下があった。廊下には向かい合うようにして、部屋が廊下の先まで並んでいる……のかな?


「ねえシラカゼ君廊下の先が見えないんだけど……」


たしか外から見たときは、比較的小さい店だと思ったんだけど……


「それは転生者の能力で空間を広げてるからだ」


「へー、それじゃあ今回の転生者って」


「いや別の転生者の能力だ。今回の対象とは関係ない」


「そうなんだ……ところで俺たちどこまで進めばいいの?」


「お前たちから見て右の部屋」


「えっ?」


「すぐそこの部屋だ」


「こんなに奥まであるのに?」


「そうだ」


「なんだ……」


すごく安心した……


「安心してないで、気を引き締めろ。お前と話してる間にむこうは準備ができたようだぞ?」


「え?」


「待ってるようだし、普通に中に入れ」


「そうか……」


エルさんは扉の前に立つと……

ドォーーーーーン


「え?」


え? ちょ、え? ……なんで壊したのーーー‼


「バカかお前は‼ 誰が扉を壊せといった‼」


「いや、普通に入れって……」


「じゃあ普通にドア開けて入れよ‼」


「普通ってこの場合は壊すんじゃないのか?」


「なんでだよ‼」


「敵が目の前にいるから」


「お前のせいで下のやつも起きたぞ。……はあ、もういい今日からお前はフィルに代わって3バカだ」


「それはすまないと思うが、俺はバカじゃないぞ?」


「ねえ、シラカゼ君」


「なんだ?」


「いや……」


「……もういいですか?」


「……ああ」


「ごほん……それで? こんな夜更けに、他人のうちに侵入した上に、部屋の扉を壊すほどのご用件はなんでしょうか?」


すごく怒ってるよ……だってすごく笑顔だもん……うぅ……


「単刀直入に言うがお前と下のやつを殺しに来た」


相変わらずストレートすぎるよ。


「はあ……なぜですか?」


「お前たちが邪魔だから」


いやそれ理由になってないよ。


「なぜ邪魔だと?」


「それを知る必要はない」


「いいえ、あります」


目の前の女の子は勢いよく立ち上がった。


「だってそれじゃあ報われないじゃないですか‼」


……ふぇ?


「私のどこか悪いところがあったら直しますし、何か悪いことをしていたならきちんと償います。だから……私に理由を話してください」


……あれ? この人、良い人だ。


「え? やだ」


「なんでですか?」


「なんか、離婚迫られた時の未練がましいセリフみたいだから」


「いや、たしかにそれっぽいセリフだけど……」


「おいお前‼」


「なんですか?」


「俺のシラカゼ(むすこ)に手をだしたのか?」


いやちがうよ? そういう話じゃないよ?


「手なんてだしてません。これでも私は聖職者の端くれですよ?」


だから違うよ?


「そうなのかシラカゼ?」


「……どうでもいいが早くしろ」


なんで飽きてるの? 君が振ったのに。


「どうでもよくないぞ‼」


いや、どうでもいいよ。


「くだらんことしてないで早くやれ。下のやつらはもう戦ってるぞ」


「ですから理由を……」


「だまれ……なあシラカゼ、俺は今まで息子のように「俺はお前の息子じゃない、いいかげん子離れしろ」


話がまったく進まない……


「もういい。しょうがないから理由を教えてやる」


「ちょっとまてまd「今夜ぬいぐるみと寝るか?」


「……」


「では話を進めるが、お前たちが次の勇者召喚に関与する可能性が高い……いや関わるからだ」


「それはいけないことなのですか?」


「そうだ。元は召喚される勇者が自ら試練として、乗り越えねばならないものだ。それを異世界からきて特別に力を与えられた転生者……まあ転移者もだが、そんなお前たちが首を突っ込んでは意味がないからな」


「そうだったのですか……ですが、私は困っている彼らを見捨てることはできません」


「お前は聖職者だったな?」


「はい」


「なんの神を信仰してる?」


「イリス様です……」


「イリスか……」

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