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旧・病みパで始める終焉物語(エンドシナリオ)  作者: 紅暮
第1章 はじめてのおつかい
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作戦会議

「んじゃ、作戦を説明する。まずは町の構造を見ろ」


全員の視線がテーブルの中央に注がれる。中央には機械が置かれ、その機械が空中に町を描いていた。


「この町は町にしては小規模だ。周りは壁で囲まれていて西と東の二つに町への入り口がある。そして転生者たちがいるパン屋は、この町の中心から北側に位置している。さて、ここまででなにか質問はあるか?」


「2人ともパン屋にいるの?」


「そのようだな」


「へー」


「他にないなら続ける。作戦はこうだ、まず俺とフレン以外は北の壁に移動して待て。それと同時進行で魔物たちを2つの入り口にスタンバイさせる。準備ができたら合図をする。合図をしたら、エル、ディア、フィル、ヴェリアは壁を越えてパン屋へ向かい対象を抹殺。その間は魔物が引き付けてくれる。リリィとシエリアはその場で待機して4人を待て」


「シラカゼ君たちは?」


「俺たちはここに残って細かい指示を出したり、ナビをする。あとお前たち6人にはこれを配る」


俺は6人にペンダントを配る。


「なにこれ?」


「そいつをつけておけ。それは小型の通信機だ。他にもお前たちの居場所を教えてくれる。こっちはこっちでユニットから町やお前たちの状況は把握できるが、万が一ということもあるからな」


「へー」


「どうでもいいが、壊すなよディアニス?」


「壊さねぇよ」


「だといいがな。壊れたら帰ってきてもらうぞ?」


「なんでだよ!」


「そのペンダントが壊れたということは、お前か敵が壊したか、非常事態かだからな」


「だからこわs「少し黙ってて、非常事態に壊れるってどういうこと?」


「そのペンダントには非常事態に備えて、回復と転移の魔術を組み込んである。もちろん転移先はここに指定してある。使い方は単純に壊せばいい。……まあそもそも遠隔操作で壊れるから、俺が危険だと判断したらこっちで発動させる」


「すげー」


「それって……」


「ああ、作るのが大変だった。昨日の夜にフレンと2人(・・)で作った」


そこでエルを見た。エルはそれに気づいて微笑んだ……


「もうそれなら僕に言ってくれれば良かったのに」


「まあお前に手伝ってもらえば楽にできただろうが、早さでいえば俺の方が早い。なによりもお前は結界の維持とかやってもらってたしな」


「シ、シラカゼ君……そんなに僕のことを考えて……シラカゼ君~」


ヴェリアが飛び付いてきた……まあもちろん


「いや、別に」


避けるが……


「なんで避けるの~」


「嫌だから」


「むぅ~」


「そういえば2人つったが、そいつはなにしてたんだ?」


そいつとはエルのことである。


「なにもしてなかった。強いて言うなら俺の邪魔だな」


「ん?」


エルは俺の言葉に驚く。なにが『ん?』だ。


「人が術式の組み上げと縮小、回復魔術と競合しないように調整したりとか作業をしている時に、『シラカゼ、何してるんだ? シラカゼ、寒くないか? シラカゼ、シラカゼ……』って……はっきりいってウザい」


その瞬間エルはガクッと崩れ落ちた。


「確かにウザいな」


「ちょっとディアニスさん、本当のことでも今は言っちゃダメですよ」


「いや、それもおいうちになってるけど……」


「ねえ、シラカゼ君」


「なんだシエリア?」


「その話もっとくわs「却下」


「シラカゼ君」


「なんだフィル? あいつみたいなこと言うなよ? 言ったらあいつを焼く」


「なんでよ‼」


「うるさい」


俺はファイヤーボールをシエリア(主に顔)に向けて放つ。だが……


「そう何度もあたると思ったらおおm、ぎゃー」


「一発だけとは言ってない。それでなんだって?」


「エルさんはただ君の役にたちたかっただけだよ」


「て、言われてもな~……というかお前にしては珍しいな。なぜあいつをかばうんだ?」


「いや、それは……」


「……まあいい」


「シラカゼ」


エルが俺の方に近づいて来た。


「ごめんな」


「謝罪はいらんから結果で示せ」


エルが頭にのせてきた手をはらった。


「……分かった」


「さて、準備しろ。準備ができしだい決行する」


「ん?」


シエリアがエルの肩に手を置いた。


「大丈夫よ。あの歳の子は思春期で荒れているだけよ。だから頑張れお父さん……ぎゃーーーー」


「バカなこと言ってないで準備しろ」

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