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旧・病みパで始める終焉物語(エンドシナリオ)  作者: 紅暮
第1章 はじめてのおつかい
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ヒト? なにそれおいしいの?

「うぅ……なんで俺が……」


「zzz……」


「……」


うぅ……まだ睨んでる……


「ひそひそ……」


「うぅ……」



少し前……



「ん?」


人を食べたいな~なんて、人を恋しがっていたら、シラカゼ君と目があった。


「……分かった。ただし、フィルにおぶってもらう」


「「「え?」」」


え?


「しゃがめ、フィル」


「な、なんで俺が?」


エル(あいつ)が嫌だからだ」


エルさんはシラカゼ君のその言葉で、かなりショックを受けたみたいだ……


「で、でも……」


「この中で、他におぶれるのはお前だけだろ?」


「そうだね……」


「じゃあ、おぶれ」


「……」


うぅ……シラカゼ君、流石に横暴だよ……なんかエルさんこっち睨んでるし……


「ひそひそ……」


他の人は、なんかひそひそしてるし……うぅ……皆にますますさけられてる……


「早くしろ」


「うぅ……分かったよ……」


俺は渋々彼をおぶることにした。


「こ、これはこれで「静かにしてください」


シエリアさんはリリィちゃんに殴られた。

人は好きだから、彼をおぶること自体はいいけど……


「……」


「ひそひそ」


「うぅ……」


「おい、フレン、ララ」


「ナンダイ、シラカゼクン?」


「最初のポイントに案内できるな?」


「ウン」


「俺が寝ている間の案内を頼む。着いたら起こしてくれ」


「ワカッタ」


「ねえ、シラカゼ君」


シラカゼ君に小声で言った。


「なんだ?」


「エルさん、こっち睨んでるんだけど……」


「そんなの無視しろ」


「でも他の人も……」


「そんなの、いちいち気にするな」


そんなこと言われても……


「というわけで、フレンとララの案内に従って行け。俺は寝る」



~回想終了~



そして今に至る……


「はあ……」


しばらく歩くと、ようやく森から出られた。シラカゼ君の言う通りそこには、一面がわかくさ色の平原が広がっていた。当然、見通しがいいから……


「おっしゃー魔物だー」


魔物がそこら辺にいるし、見晴らしがいいから集まってきた。


「ちょっと、ディアニスさん静かにしてください。シラカゼさんが寝てるんですよ」


ディアニス君は、向かってきた魔物の群れに突っ込んでいった。


「おらーー」


ディアニス君がホルスターから銃を抜いて、乱射する……


「zzz……」


こんなにうるさいのに、彼はよく眠っていられる……相当疲れているんだなあ……


「ひゃっほー」


しばらくして、ディアニス君が魔物を倒し終えたので、再び歩きだす俺たち。うぅ、皆との距離が縮まらない……しかもまだエルさんが睨んでるくる……というか、さっきより強く睨んでる気がする。もう代わって欲しいくらいだよ。俺がそう考えていると……


「ふえ?」


俺が考え事をしているうちに、先頭を歩いて道案内をしていたフレンさんが、俺に近づいていたようで、俺の袖を引っ張っていた。


「ダイジョウブ?」


「正直、全然大丈夫じゃないよ……」


「ミンナハ、キミノコトヲ、シラナイダケナンダ。ダガラ、キニシナイデ」


「……ありがとう」


「イイヨ、ベツニ。ジツハネ、キノウノヨルニ、シラカゼクンガ、イッテタンダ」


「なんて?」


「フレン、コレハ、フィルニモイエルコトダガ、オマエタチハ、ホカノヤツラカラ、ジブントイウモノヲ、シッテモラエッテ、イッテタ」


「そうだったんだ……」


シラカゼ君……


「ダカラ、ボクタチト、イッショニ、スコシズツ、ミンナト、ナジンデイコウヨ」


「うん。ありがとう」


「キミハヒトガスキ?」


凄くストレートな質問だなあ……


「うん」


「フレンモネ、スキダヨ。デモ、フレンハ、ヒトガニガテナンダ……」


「……」


「ヒトトナカヨクナリタイ……ダカラフレンハ、ヒトノヤクニタツコトヲ、シヨウトオモッタンダ。デモドレモ、シッパイシチャッタ」


「くだらねえな」


いつの間にか、俺たちの後ろにはディアニス君がいた。


「人の役に立って皆に認めて欲しい……そんなことしたって、結果がついてこなきゃ認められるわけねえだろ」


「ソウカナ?」


「そうだよ。そもそもお前らは甘いんだよ。他のやつと仲良くなりたいなんて無駄だ。俺ならそんなくだらんことに、時間は割きたくないね」


「じゃあ、君は人が嫌いなの?」


「わかってねえな。好きとか嫌いとか、そんなのは小せえ話なんだよ。自分が強いかどうか……大事なのはそれだけだ。強けりゃ寄ってくるし、弱けりゃこない。まあつまりはあれだ、人が寄ってくっかは結果の一部にすぎねえってことだ」


「へー」


まあ要するに、魅力的な人には自然に人が寄ってくるってことかな。魅力か……

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