はじまりの森の……
「とりあえず、他のやつらも早く寝ろ」
「ちっ、しょうがねえな。次は俺が勝つからな」
「負け犬の遠吠えをあげてないで、さっさと寝ろ」
「てめ……絶対次は俺が勝つんだからな」
「はいはい、もうそれはいいですから。行きますよ」
「ちょっ、リリィ引っ張るなよ」
ディアニスはリリィに引っ張られてつれていかれた。
「それじゃあ俺も行くよ。おやすみ」
「ああ、おやすみ」
フィルもリリィたちの後を追って歩いていった。
「シラカゼ君、僕は……」
「なんだ? 不満があるのか?」
「むぅ……だってエルさんだけ君と寝られるとかずるい」
そう言って、いかにも拗ねているアピールをしてきた。
「お前が負けたんだからしょうがないだろう?」
「そうだけど……じゃあ、別の時に一緒に眠ってくれる?」
「ああ、今度一緒に寝てやるよ」
「えへへ、じゃあ約束だよ」
ヴェリアは機嫌が良さそうに去っていった……やれやれだな。
「で、お前はどうするんだ? 俺はまだ寝れないんだが?」
「なら待ってる」
チッ……
「フレンは?」
「キミハナニヲスルノ?」
「今後の旅の計画をたてたり、記録をとるつもりだが?」
「フレンモ、テツダウッテ」
「そうか、では頼むとしよう。そういえば、ちょうど手伝って欲しいものがあった」
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
「まあ聞いてくれシラカゼ。実はな、俺には息子がいたんだ」
「こ、子持ちですって~‼ ヤバイわ。これもう色んな意味で禁断の恋じゃな「うるさいですよ」 「はい‼ すみませんでした‼」
「で? それがどうしたって?」
視界の端で、リリィにシエリアは正座させられていた。
「お前は俺の息子に似ている」
「だから?」
「一緒に寝よう」
「意味が分からんのだが」
「ん? だからお前は俺のむs「いや息子に似てるから一緒に寝ようとか意味分からん」
「一緒に寝てもらわないと、眠れない……」
「ガキかお前は。つーか、お前は息子と俺の年まで一緒に寝てたのかよ」
「いや、あいつはもっと幼かった」
「じゃあもう子離れしろ、親バカ」
「嫌だ」
「はあ……何なんだこいつは……」
「ネエ、シラカゼクン」
「なんだララ?」
「カレハ、ホントウニネムレナクテ、コマッテルンダ。ジッサイ、ココニクルマエ、カレガネルトキハ、フレンノヌイグルミト、ネテタンダ」
「確かにそうだったな。だがそれならぬいぐるみでいいだろ?」
「嫌だ。お前がいい」
「……」
なんなんだこいつ……
「はあ……分かったよ。ゲームで勝ったら今後一緒に寝てやる。だが負けたら大人しくぬいぐるみを抱いてとっとと寝ろ……いいな?」
「分かった」
~回想終了~
ということがあった。
今思えば、あの時断っておけばという後悔の念に苛まれる……くっ、初心者だから勝てるだろうと油断した……
「ほら、シラカゼ」
ご丁寧に毛布を捲って、横を開けてくれやがるエルなんとか。
「はあ……」
しぶしぶそこに入った……もちろんやつに背をむける。
俺が入ると、エルなんとかは俺に毛布を掛けた。
「寒くないか?」
そう言って、頭を撫でてくるエルなんとか……
「……寒気がしてきた」
「そうか?」
そう言って、毛布をさらにきっちりと掛けようとするエルなんとか……
そのため、体がより密着する……さ、寒気が……というか吐きそうだ。なんて罰ゲームなんだ……苦痛すぎる。
「そういうことじゃないんだが……」
「ん?」
「いや、もういいから早く寝ろ」
「そうか」
そしてまた頭を撫でてきたエルなんとか。これが今後すっと続くとか……考えただけで鬱だ。
「……頭をいちいち撫でるな、エルなんとか」
「そうか? ……シラカゼ、長くて言いづらいならエルでいいぞ」
そう言いつつも、撫でるのを止めないエルなんt……エル。
「はあ……もう好きにしろ、俺は寝る」
「おやすみ、シラカゼ」
エルはしばらく撫でて、満足したのか撫でるのを止め、片方の腕でさらに俺の身体を自分に引き寄せてきた……チッ、死ねイケメソ




