はじまりの森の楽しい遊び2
というわけで、俺たちは8人でモリオカートをすることになった……
フレンとリリィ以外は俺に勝ったら、それぞれ1つ願いを聞くことになった。
ディアニスは今後戦う回数を増やした上で、多少は無茶しても多目に見て欲しいというもの。
男3人の願いは……だがそれよりも最悪なのがシエリアだ。
「はあ……胃が痛い……」
「腐腐腐……シラカゼ君、ここは腐女子の誇りをかけて、絶対に勝たせてもらうわ。これに勝てば腐腐腐……」
「……」
「大丈夫か? シラカゼ」
そう言って、頭を撫でてきた……いったい誰のせいだと思ってやがるんだこいつは……
とりあえずイラついたので手を強く叩いてはらう。
「おい、ディアニス」
「ん? なんだシラカゼ?」
「先に言っておくが、練習とか3回勝負だとか負けても言うなよ?」
「言わねえよ。つーかなんで俺に言うんだよ?」
「言いそうだからだ」
「はっ、そんなこと言っていられるのも、今のうちだぜ」
そんなことを言っている間に、開始のカウントダウンが始まる……
3、2、1、GO
その直後一斉に走り出す、だが……
「なにこれ?」 「ん?」
エルなんとかとフィルはボタンを長押ししすぎたせいで、スタートダッシュに失敗したようだ……
「よっしゃー、トップだ」
レースの序盤はディアニス、ヴェリア、シエリア、俺、リリィ、フレン、フィル、エルなんとかの順だ。
「甘いよディアニス」
ヴェリアは緑甲羅を投げる。
「はっ、そんなの当たらないぜ」
「かわされちゃったか……って、うわ」
「ヴェリア君、甘いわよ」
「抜かれちゃったかー」
「私は負けられないのよ……例えこのあと殴られるんだとしても腐女子として今後、シラカゼ君と男子のイチャイチャしているところを見るためには‼」
鬼気迫る顔で最低なことを言うシエリア……
そしてそのまま一周目が終わってしまう……
「さあ、勝たせてもらうわよ……って、ちょっと~」
「じゃあな、シエリア」
俺はシエリアに投げつけ、シエリアを抜いた。しかし……
「くっ」
「それじゃあシラカゼ君。お先~」
ヴェリアに抜かれてしまった……
「僕だって今後シラカゼ君に……だから……」
そんなことをしている間に2周した……最後の一周ここで勝たなければ……
「チッ……またきたか」
「今度こそ1位はもらうよ」
レースもいよいよ終盤。上位の2人はもう少しでゴールしそうだ。
「よし……勝ったな」
「させないよ」
2人は白熱した戦いをしていた。
だがその時だった……
「はっ、やばい」
「うわ、最悪。巻き込まれた」
2人の頭上に青甲羅が飛んできて、そのまま爆発したのだ。
「よしこれで1位に……クソッ」
その時、後ろから赤甲羅がとんできた。
「残念だったわねシラカゼ君。この勝負もらっ……なっ」
1位を確信したシエリアも後ろからきたキラーによってスピンした。
ヴェリアとディアニスも立ち直った瞬間にキラーがあたった。
「よし」
俺はなんとかゴールできた……
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
「屈辱的だ………」
結局レースはエルなんとか、フレン、俺、リリィ、フィル、シエリア、ヴェリア、ディアニスという順になった……
「おいシラカゼ、もう一度だ。ビリとか納得いかん」
「そうよ! 私もあんな負けかた嫌よ」
「うっさい、バカ共。だいたい最初に、再戦は無しだと言ったはずだ。負けたやつはとっとと寝ろ」
「チッ……」
「それとシエリア……どこに行くつもりだ?」
「いや、あの、もう寝ようかと……」
「そうか。お前はこっちだ」
「おねがいだから一晩木に縛って吊るさないでー」
「何言ってんだ? お前はその前にしばく」
「いやーーーーーーーーー」
シエリアを木の裏に引きずっていく……
数分後……
「なあリリィ、ひとつ頼みがあるんだがいいか?」
「なんですか?」
「明日の朝あのバカを木から降ろしてやってくれ。俺は今夜はまだ作業があるから、明日は遅めに起きる」
「分かりましたけど、あまり無理しないでくださいね?」
「ああ、ありがとう。では頼んだ」
「はい」
さて、あとは……