はじまりの森の楽しい遊び
「というわけで、他に質問がないならあとは風呂入って寝ろ。もちろん、明日の準備はしておけよ?」
「オッケー。それじゃあシラカゼ君、僕とお風呂に入ろうよ」
「嫌だ……風呂は女から入ってこい。次にディアニス、ヴェリアの順で最後に男だ……いいな?」
「ディアニスはともかく、何で僕は一緒に入っちゃダメなの?」
「嫌だからだ。安心しろ俺も最後に一人で入る」
「じゃあ最後に一緒に「嫌だ」
「けち」
ヴェリアは頬を膨らませるが無視だ。
「じゃあリリィちゃんたち、行きましょうか」
「はい……あっ、あのフレンさんも……」
そう言われたフレンは少しオドオドしていた……
「いい機会だ、行ってこいフレン」
フレンは俺を見て、少しの間黙っていたがコクりとうなずいた。
「イッテラッシャイ、フレン」
それにうなずいてから、ララに手を振りフレンはリリィたちについていった。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
さて俺が風呂からあがってくると……
「なんだ皆起きてたのか」
「そりゃあまだ寝るには早いからな」
「別に構わんが早く寝ろよ」
「おう。そんなことよりもシラカゼ、お前も遊ぼうぜ」
そういうディアニスは某有名なレースゲーム……モリオカートのパッケージを見せてきた。このゲームは毒キノコを食べてモリモリ……というかメリメリとマッチョになるオッサンやライバルたちがレースをするゲームだ。
「なんでそんなものがあるんだ?」
「フレンに出してもらった」
「そうなのか?」
フレンにそう聞くと、コクりとうなずいた。
「シラカゼ君もやろうよ」
「やってもいいぞ」
「おう、流石シラカゼ、話がわかる」
「ただし、俺が勝ったらとっとと寝ろよ」
「いいぜ。んじゃあ俺が勝ったら、優先的に戦わせてくれよ」
「えー……それじゃあ僕はシラカゼ君に添い寝して欲しいかな」
「フレンは?」
フレンは首を横に振った。やれるだけでいいようだ……まあそれで十分ならいいが……
「なんだいそれ?」
フィルがやってきた。
「モリオカートだ」
「何それ?」
「ゲーム」
「ゲーム? ゲームって何?」
「ゲームはゲームだ」
「全然説明になってないよ、ディアニス」
「ゲームっていうのは、要は娯楽だ。まあお前もやってみろ」
「うん、分かった」
「あら、面白そうなことしてるじゃない」
シエリアとリリィもきた。
「お前らもやるか?」
「あらいいの?」
「わ、私もですか」
「いいじゃねぇか、やろうぜ」
さて、こうなると……
「おい。エルなんとか、お前もやるか?」
「いや、俺はいい」
「そうか」
「えー、なんだよノリ悪」
「まあ別にいいだろ……で? なんで俺の前に立ってんだ? 顔面ボコボコにされたいのか?」
エルなんとかは座っている俺の目の前に立つ……ほんとケンカ売ってんのかこいつ?
「もう寝る」
「じゃあ、寝ればいいだろうが」
「シラカゼ」
「なんだ?」
「一緒に寝よう」
エルなんとかの言葉に俺たちは固まった。一人だけキタコレーとか言っているバカがいるが……
「すまん。もう一回言ってくれるか」
「ん? いや一緒に寝y「ああ、もういい分かった。もう言うな吐き気がする……」
本当に吐いてしまいそうだ……
「はあ……今まで見て見ぬふりをしてきたが、いったいなんでこのパーティーの男はホモしかいないんだ……」
「僕(俺)は%&:¥☆/※▽#□&♪☆%ホモじゃないよ」
「いや、3人同時に言っても分からないわよ……かろうじてヴェリア君の"ホモじゃないよ"は聞き取れたけど……」
「……まずヴェリア。カッコいい人が好きって時点でアウトだ」
「そうそう聞き取れるわけ……って分かるの!?」
「ああ」
「シラカゼ君、あなた凄いわね……」
「まあスキルだからな。んでフィル、お前はまあ……そうだな」
「フィル君はなんて言ってたの?」
「人が好きなだけで、ホモじゃないだとさ」
「おーすげー」
パチパチと拍手するディアニスとフレン。
「で、ディアニス。お前は論外だ」
「なんで」
「お前……女じゃん」
「俺は男だ」
「だが体は女だろ?」
「むぅ……」
「あとそういえば、シエリア」
「何かしら? シラカゼ君」
「お前、俺が風呂の話をしてるときに、気持ちの悪い言をぶつぶつと呟いてたよな?」
「な、なんのことかしら?」
「他のやつと話していて、気づいてないと思ったんだろうが……聞こえてたぞ? お前後で向こうの木の裏に来い」
「ひいい」
「なあシラカゼ」
「なんだホモ? 気安く話しかけるな」
「俺はホモじゃないぞ?」
「は? どこがだ?」
「まあ聞いてくれシラカゼ。実はな……」