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旧・病みパで始める終焉物語(エンドシナリオ)  作者: 紅暮
第1章 はじめてのおつかい
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はじまりの森の黄昏時

「で? 何をやらかしたんだ?」


今俺の目の前には、ディアニスとリリィがいる。


「何もやってねぇよ」


「じゃあ、なんで頭から血が出てるんだ?」


「こ、これは……あれだよあれ、そう、転んだんだ」


「ほう? どう転べば頭から出血するんだ?」


「え、えと……それは……」


「ああ、なるほどな。俺が悪かったよ。まさかお前が転んだだけで、頭から出血するほど脆いとは思わなかった……次からはお前も非戦闘員だな」


「え? いや、ちょっと待て。今のは違っ「何が違うんだ?」


そこでディアニスが黙る。返すことばを必死に探しているようだが……


「はあ……シラカゼさん、あんまりいじめちゃダメですよ」


リリィから助け船が出された。


「まあいい。それで何があったんだ?」


「実はですね、ディアニスさんがあまりにもひどかったので……つい……」


「殴ったのか?」


「はい。それで、その後は野草の採取を手伝ってもらっていたんです」


「ふむ、よくやった」


「それでその……罰のほうは……」


「ん? 未然に防げたんだろう?」


「はい」


「ならいい。むしろお前はいい働きをしてくれた。よくやったリリィ」


「お、おい……じゃあその非戦闘員ってのは……」


「なんだ? なりたかったのか?」


「い、いやなりたくない」


「そうか。だが今後もこうだと「今後はこういうことをしないからお願いだ‼ 頼む‼」


「そうか?」


「ああ。今後は獲物は必要な数だけにする……とりあえず今日はもう狩らない……」


「そうか……それは残念だ」


「え?」


「いやな? これからお前とエルなんとかに川の魔物の処理をさせようと考えてたんだがな? そう言うなら無理にやらせr「ぜひやらせてくれ」


……現金なやつめ。



※ ※ ※ ※ ※ ※ ※



というわけで、俺たちは川へとやって来た。

フレンとフィルは拠点に残った。


「確かにそこら辺にいるな……」


川の周辺にはちらほらと魔物がいた。


「では地形を壊さない程度にやれ。あと出来るだけ殺さず追い払うようにしろ。殺すとしても大きい魔石持ちにしろ」


「分かった」


そう言ってエルなんとかが向かっていった。


「よっしゃー行くぜ」


「ほどほどにな」


ディアニスも向かった。


「さて、んじゃヴェリア結界を張ってくれ」


「はーい」


すると、周囲に色とりどりの蝶たちが現れた。魔法でできた蝶はほんのりと輝いていた。

ま、これであとは待つだけだな……



※ ※ ※ ※ ※ ※ ※



「さて、それじゃあ拠点ができたから、シエリア以外は自由にしてろ」


川の魔物の掃討などが終わり、俺たちは拠点に戻ってきた。


「あっ、私シエリアさんを手伝ってきます」


「ああ、頼んだ」


リリィは調理場に向かっていった。


「ねえ、シラカゼ君。この魔石どうするの?」


そう言ったヴェリアの前には、大きく様々な色の魔石がそこそこな数で置いてあった。


「それは今後色々と使う。資源にもできるし、売って金にもできるからな」


「へぇ~」


「フレン、とりあえずあれをしまっておいてくれ」


フレンがコクりと頷くと、魔石は消えた。


「さて、お前たちはどうする?」


「僕はシラカゼ君と一緒にいる」


そう言って、やはりくっついてくるヴェリア……はがすのがもう面倒になったきた。


「ボクタチモココニイル」


「俺も……」


「……まだ休ませて」


とりあえず、ディアニス以外はここにいるようだ……


「で? お前は? 問題を起こさんなら、そこら辺ぶらついてていいぞ」


「いや、俺も残る。銃の手入れがしたいしな」


「そうか……」


結局、誰も動かないか……


「って、シラカゼ君どこ行くの?」


「川に行く……少し集中したいから、一人にしてくれ……」


俺はそう言い残して川へと向かった。



※ ※ ※ ※ ※ ※ ※



「……カゼ君。シラカゼ君ってば~」


「ん? ああ、ヴェリアか……どうした?」


「ごはんだよ」


「ああ、そうか」


川にきて岸辺に座りこんでから、だいぶ時間が経っていたようだ。もうすぐ夜になるだろう……


「きれいだね、シラカゼ君」


「そうだな……」


川の上では蝶たちが舞い、幻想的な風景を作り上げようとしていた……


「何か考え事?」


「ああ……少し今後の方針を考えていただけだ」


「そう? ……まあ、なにかあったら言いなよ?」


そう言って、笑いながら手を差し出してきた……


「さ、行こう?」

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