ヒロインっていいよねPAーRT、3
晴れました!
何か、いや、誰かが語りかけてきている。
むかし……最近? このようなことがあった気がするのだが、思い出せない。
「長瀬くん……」
誰だろう? 女の子?
「ねえ、長瀬くん……」
この声どこかで……。
わさわさ。
体が揺らされる。
誰かの細い、指が吸い付くように僕の肩に触れる。
――温かい。
この温度、やっぱりどこかで……。
そう思い、眼を開く。
「「…………」」
思った以上に顔が近くにあった。
妖精のように可憐で可愛い顔、雪のように白くて綺麗な肌、髪形はセミロングだ。
ぼくはこの少女を…………まったく知らなかった。
固まったままの僕たち。
彼女は少し気まずいのか、
「え~と……ごめんなさい」
そう言って、一歩下がった。
目の前にいる少女に僕は尋ねた。
「ここはどこなんだ?」
「ここはね、あたしたちの部室だよっ!」
笑顔でそういう少女。
その笑顔はとてもかわいらしくて、素直に見える。
「あたしたち?」
だけど、なんだか不安に思い聞きなおしてみた。
「うん、あたしたち、だよ。そこにいるのが長瀬くんと同じ部活に入れられ……入った、人たちだよ」
そう言われて周りを見渡す。
おそろくここは旧・空き教室なのだろう。
部活動専門のための教室なため、たくさんの私物が置いてある。
コーヒーメーカー、運動用具、電子レンジ、など……。
そして他三人の生徒と眼を合わせた。
「……何部なんだ?」
目の前の少女に呆れた声をかける。
彼女はまたもや笑顔を浮かべた。
「それはね……総合研究部っ!」
「総合研究部? それって、どんな部活なんだ?」
「う~ん、難しいねぇ」
彼女はほっぺたに指を付けて考える素振りをした。
難しいのかよ!
心の中でつっこむ。
まあ、初対面と自分が置かれている状況を考え、今回は口を閉じておくことにする。
「スポーツやったり、お茶飲んだり、ゲームしたり?」
「遊んでるだけじゃん!」
「違うよっ! 放課後なにもしない問題児を集めてるだけだよっ!」
「余計たち悪い! まあ、いいやぼくは帰るから」
面倒なので立ち上がり、ぼくは部室をあとにしようとした。
ガシッ。
しっかりと掴まれた。どこにそんな力があるんだよと思うぐらいしっかりと……。
ここでも笑顔をうかべる少女。しかしいまはとてつもなく怖い。
「言ったでしょ? 長瀬くんはここに入れられたのよ、ね?」
「は、はい」
さっきの教師より二倍怖い。
「それじゃあ、座って」
「……はい」
力なくうなずくと、ぼくは椅子に座らされた。
……俺どうなるんだ?
彼女も椅子に座り、ぼくを含め五人が席に座ったわけだ。
だが完全にアウェー、アニメオタクのぼくは生き残れるのだろうか?