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大丈夫、進める
こんな不幸な結末になってしまったのは仕方のないことだと思う。
ぼくは眼の前に墜落した飛行機を見上げる。
最新型の飛行機だ。
墜落することなんてないと思われていた飛行機。
ぼくらが関することを諦めた飛行機。
ぼくは涙を流した。
ぼくがもう少し勇気を持っていたならば、進んで行けたはずだ。
仕方ないなんて言わずにいれたはずだ。
ならいまのぼくに出来ることはなんだろう。
……わかってる。
自分に言い聞かせる。
彼女の元へ、進むことだ。
あたりを見回す。
何もない。
ぼろぼろの体はいまにも倒れそうだ。
心なしか意識も薄くなっている気がする。
限られた時間の中でぼくは彼女を見つけることが出来るだろうか?
考えろ、考えるんだ。
……あっ!
煙だ。
煙の匂いがした。
もしかしてそこに彼女や彼らがいるなら、助けなければ。