その印なに?
琉生side
中森の家につくと中森によく似たお母さんが出てきて、
「彼氏です。」と言うと、大歓迎で部屋に入れてくれた。
そんなん、泥棒でも簡単に入れるぜ、これ。
30分くらいして、中森が帰ってきた。
カワイイが、男の、猫田のにおいがほんのりする。
イラつく。
「はぁー、つかれ…え?なんで琉生君がいるの!?」
「別にいいだろ。つか何時まで猫田んちいるんだよ。」
「いいじゃん。」
「何してたんだよ?」
「…何って何も。」
そう言った、中森の首に目がくぎすけになった。
それは、あれか?キスマークか?
「おい、ちょっとこい。」
「え?」
「それ見せろ。」
中森の首を凝視する。
やっぱり…キスマークだ。
「お前…猫田とやったの?」
「ふぇ!?」
くやしい。俺としたこないのに、触れられないのに。
猫田がうらやましい。
もう俺ら終わり?猫田とできてんの?
「お前は俺のもんだろ?離れんなよ…。」
俺の願いだった。
どこにも行かないでくれ。
お前はいつも俺が浮気してるときこんな気持ちだったのか?
ごめんな。
けど…ゆるせねぇかも。
-ドンッ
中森をカベに押し付けた。
「っえ!?」
「やろっか?」
俺は静かにそう言って、中森の胸にふれた。
「やっ…やめてっ…」
-パシンッ
そんな音がして、俺は中森から離れた。
「なんでこんなこと…もう嫌だよ。
別れようよ。もう無理なんだよ…。」
「はっ?」
猫田とはやれて、俺とはやれねぇの?
「帰って。出てって。」
そして、俺は半ば強引に家から出され、そのとき中森に
「さようなら。」と言われた。
俺、あきらめねぇよ?
別れるなんて、みとめてねぇもん。