俺の幼馴染みはキイナちゃん
真司side
ちょっと茶色がかった大きな目に、ブラウン色の髪。
自分は相当モテているのに気付かなくて、
彼氏に浮気されてもなお彼氏が好きでいる俺の幼馴染み、キイナ。
俺はそんなキイナが…
あの、津田琉生と付き合う前から…
-好きだった。
けど、告白してフラれたらこの関係が壊れてしまいそうで、
怖くて、告れなくて、その間にキイナは津田のものになっていた。
なのに、なのに、今のキイナは…
津田のせいで泣いているんだ。
「ごめんね、ちょっとイロイロあって、泣いちゃったの。」
そう言うキイナが可愛くて、かわいそうで。
「津田だろ?ムリすんなよ。別れたらいいじゃん。」
『別れたらいいじゃん』じゃなくて『別れてほしい』んだ。
ムリだって、キイナは津田が大好きだから、知ってるけどな。
「うん、別れる。」
…は?
「キイナ?今…なんて?」
「別れるよ、3日後の2年記念日を忘れていたら。」
そう言いながら、俺にお茶を入れてくれているキイナはさっきからこっちを見なくて…
「キイナ…ちょっとこっち向けよ。」
「…。」
無理矢理キイナを俺の方に向かせると、
キイナは目に涙いっぱいためて、泣いていた。
「ごめん、お茶が涙味だ。入れ替えるね。」
そういった、キイナはそのあと何回もお茶を入れなおした。