春の夢
僕は、夢を見た。
春の夢。
少しだけ緑に染まった川のほとりで、両手を広げて走る夢。
風が吹き、雲が流れ、太陽が隠れちょっとばっかし暗くなる。
でも僕はとまらない。
走り続けた。
後少しで、雲が空からどいてくれる。
後少しで、また太陽が見えてくる。
もう少し。
もう少し。
でも、夢は続かない。
僕は走り続けているのに。
雲がどいてくれそうなのに。
しかし僕には、時間がない。
ここでおわり、間に合わない。
なぜだろう。
でもそこには理由はない。
間に合わないものは、
そうなんだ。
おしまい。
おしまい。
あっけない。
僕は泣きながら、走り続けた。