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第82話 このチャンネル名でいいの?

第82話 このチャンネル名でいいの?


蒼魔視点

今日はミカエルさんとレアがお出かけすると言って今準備をしているようだ。

先日作っていたベネチアンマスクはカラーリングをしてもいいかと聞いた所是非にと言われたので青や黄色の鮮やかな色目にしたんだ。

頼んだ本人はかなり喜んでいたからやってよかったと思うよ。

お、レアが部屋から出てきた。

今日は軽めのメイクにジーンズとワイシャツか。

ライトファッションでレアに合う着合わせだね。

「ラフだけどレアには合っている。おしゃれだね」

「ぬ、主殿。そうストレートに言われると照れるではないか」

普段は凛としているのにこう、モジモジされるとね。

俺は照れるレアを抱きしめてあげる。

「!?!?」

こうするとレアは高確率でパニックになるんだよね。

ぷしゅー。

あ、処理落ちした(笑)


ミカエル視点

うわ、うわ、うわーー!

レアさん、照れすぎて気絶しているよ。

てか、蒼魔くん、レアちゃんの扱い上手いな。

さすがはみんなの彼氏さんだね。

見ていて私も羨ましくなるね。

私も皆んなの仲間に入れてくれないかなぁ。

レアさん、今のままだと役に立たなさそうだし私が蒼魔さんにお願いしようかな。

「ねぇ、蒼魔さん。少し話していい?」

「ん?何?」

「本当はレアさんが話してもらう予定だったんだけど、やってほしいことがあるんだ」

「ミカエルさんが珍しい。何を?」

私は本来レアさんが頼む予定だった内容を伝える。

Melodic Tubeでチャンネルを作ってほしいこと、チャンネル名を【天魔の回廊】にしてほしいこと、公開は本日16時にしてほしいことを伝えた。

まあ、蒼魔くん、チベスナ顔になるよね。

レアさんの趣味全開の名前だからね。

「天魔の回廊…ねえ」

チベスナ顔で淡々と言わないでよ。

蒼魔くんの反応に私も笑いそうになってしまう。

「まあ、レアらしい名前のチョイスだけど、ねえ?」

「ブフッ」

私は耐えきれずに吹き出してしまう。

蒼魔くんの反応に笑ってしまった。

「まあ、わかったよ。そこまで面倒なことでもないから任せといて」

蒼魔くん、優しいね。

さ、レアさん、起きて。

とろけてないで出かけるよ!

私はとろけているレアさんの頬をペチペチ叩いて起こし始める。

まあ、時間はあるから慌てる必要はないんだけどね。


レア視点

さて、結構並んでいるな。

我とミカエル殿は秋葉原駅のストリートピアノの順番待ちをしている。

今日は結構弾こうとしている人も多いようで10人くらい待っている。

ふむ。

今演奏している男性も上手いな。

感情が、うまく乗っているではないか。

他人が演奏をするのを聞くのも勉強になるな。

順調に列が進んでいく。

む?

なんかざわついているな…。

何かあったのか?

というか我を見ている人が多いか?

もしかして先日の我の演奏をしていたのを見ていた人たちか?

であれば、チャンネルの案内ができるな。

「ミカエル殿、演奏後にチャンネルの名刺を観客に渡してもらっても?」

「うん。わかっているよ」

外にいる時、ミカエル殿は目を隠しているから表情はわからないが、笑顔で答えてくれているのはわかる。

頼もしい仲間だな。

できれば、ミカエル殿も主殿と結ばれてくれれば…。

いかんな。

これはミカエル殿と主殿の問題だ。

我がしゃしゃり出るべきではないな。

まあ、助言くらいはしても問題はあるまい。

エルシアも巻き込みたいが、多分煽るだろうな。


観客視点

おい、まさか…。

俺はストリートピアノの待機列に先日の赤髪の女性と目隠れさんがいるぞ!

まさか、今日も演奏してくれるのか!?

これはまたすごいことになるぞ!

こうしてはおられん!

最前列に行かなきゃ。

そして掲示板にも告知を出さなきゃ!

さて、今日は何を弾くんだ…?

おお…ショパンの雨だれか。

この前も凄かったが、彼女の演奏は一気に世界に引き込まれるな。

目を閉じると田舎の家で縁側に座って振っている雨を眺めているような気分になるな。

こういう曲は楽譜通りに弾くというのがセオリーなんだろうが、彼女の演奏は楽譜に感情を乗せて演奏する。

だからこれだけ心が揺さぶられるんだろう。

ああ…終わってしまった。

余韻がものすごいな。

うわ!

とんでもない数の観客がいるじゃないか。

そりゃこれだけのクオリティのピアノだったらな。

グチッターもバズってるし…。

え?

警察が出てくるの!?

ああ、通り抜ける人たちの誘導か。

次は…、弾き語りか。

鬼束ちひろの月光をやるのか。

うわっ!

声通りすぎだろ…。

しっとり歌いつつも、月の光のような柔らかにつつみ込んでくる。

サビは…いいな。

自然に涙がこぼれてくる。

こころにしみるという感覚ってそう味わえるものじゃない。

うん。

聴き入る名曲だな。

俺は彼女の歌声に意識を向ける。

最後のサビの前で意図的に溜めるのが粋じゃないか。

最後に向けてゆったりと歌い切るか。

ゆったりした曲だったからか頭がグワングワン揺れる感じがする。

彼女が弾き終わると雨だれの時よりも大きな拍手が起こる。

外国人の観客もいたようだな。

あちこちからブラボーと聞こえる。

もう一曲行くのか?

はあ!?

Adoの唱をピアノでやるのか!?

歌うのは…目隠れさんか!?

あれ?

少し焦っている?

予定を変えたのかな?

あ、ピアノを弾いている赤髪の娘がニヤリと笑った。

計画的犯行か!

ってか、目隠れさんも声量凄!!

本家…じゃないよな!?

うわうわうわー!!

観客ノリノリじゃん!

てか警官まで小さくリズムに乗っている(笑)

そりゃこれだけの演奏をやられたら警官ものるしかないわなぁ。

サビの音圧ヤバ!!

てか巻き舌も凄!!

このレベルの演奏を無料で聴いていいの!?

この前も思ったけど、チップがとんでも不思議じゃないぞ?

俺一生分の運を今日、使ってしまったかも…。

まあ、いいや。

俺もこのコンサート、楽しもう!


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