firststage
今日のレッスンは、初めてのステージ練習。
広いスタジオにスポットライトが当たり、まるで本番のような雰囲気が漂っとる。
「……うわ、まじで緊張する……」
わしは心の中で小さくつぶやき、深呼吸をする。
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ステージの端に立つと、先輩たちの視線がビシッと飛んでくる。
「桜庭さん、初めてにしてはいいけど、笑顔とキレが足りん」
葵レナの厳しい指摘に、わしはハッとする。
「……はい……次は絶対に」
振り付けが始まると、わしの足が一瞬もつれた。
「うわ、やば……」
スポットライトの下で緊張し、思わずステップを間違える。
美月が隣で正確に動くのを見て、胸がギュッと締め付けられる。
「……負けんけぇな!」
島根での根性を思い出し、もう一度立ち直る。
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何度も繰り返すうちに、少しずつ動きが合ってきた。
でも、声はまだ小さく、表情も硬い。
芦田先生が腕組みして観察する中、わしは心の中で叫ぶ。
「……もっと出せ!笑顔も、声も、全力じゃ!」
休憩時間、同期の美月がそっと声をかけてくれた。
「桜庭、焦らんでええ。少しずつ、慣れれば大丈夫」
その言葉に、わしの胸の奥が温かくなる。
「……ありがとう、美月」
仲間の存在が、こんなにも支えになるとは思わんかった。
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午後の最後の通し練習では、失敗もあったけど、昨日よりずっと安定してステップを踏めた。
「……まだまだじゃけど、前よりマシじゃ!」
汗だくで鏡に映る自分を見て、少し笑顔が戻る。
夜、寮で日記を開きながら、今日の反省を書き込む。
「笑顔が足りん、声も小さい、でも少しずつ成長できた」
島根の仲間や里奈の顔を思い浮かべ、決意を新たにする。
「よし……明日も全力で、もっと強くなるけぇな!」
こうして、凛の初ステージ練習は失敗と学びの連続だったけど、少しずつ東京での自分を作り上げる一歩になったんじゃ。




