ライバルとの対決
朝のレッスン室に入った瞬間、わしの目は橘美月に釘付けになった。
今日の課題は、ペアでのダンスバトル。
誰と組むかと聞かれた瞬間、美月とペアだと告げられ、わしの胸が熱くなる。
「……美月、今日こそ負けんけぇな」
小さく呟き、握った拳に力を込める。
美月は薄く笑って、挑戦的な目でわしを見返す。
「桜庭さん、地方出身の癖に生意気ね。覚悟しといてよ」
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ダンスバトルが始まると、わしの心臓はバクバク。
美月の動きは速く、正確で、凛の全力でも追いつけん場面が多い。
「うわ……やっぱ、甘くねぇ!」
でも、島根で培った根性がわしを支える。
「負けるわけにはいかん……!」
二人の動きがシンクロする瞬間、芦田先生が鋭い目で観察する。
「桜庭、もっとキレを出せ!」
「美月、もう少し柔らかく!」
言葉の一つ一つが、わしの心に火をつける。
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途中、何度もステップを間違えるわしに、美月が小さく笑う。
「……まだまだじゃん」
ムカッとする気持ちを抑え、わしは深呼吸。
「……今のわしじゃまだ弱いけど、次こそ絶対!」
二回目のバトルでは、わしの足も手も、昨日より確実に動くようになっとった。
美月との動きが少し噛み合い、互角の勝負ができる瞬間もある。
「……これじゃ!この感覚じゃ!」
胸の奥が熱くなり、汗で髪が顔に張り付くけど、止める気はさらさらない。
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レッスン後、美月が小さく言った。
「……桜庭、思ったよりやるじゃん」
わしは少し驚き、でも内心ガッツポーズ。
「……まだまだじゃけど、絶対負けんけぇな」
寮に帰る道すがら、東京の夜風が顔を撫でる。
「島根での根性も、東京で通用するんじゃ……!」
挫折と達成感が入り混じった胸の高鳴りを感じながら、わしは明日のレッスンに向けて気合を入れる。
東京研究生生活は、まだ始まったばかり。
でも、ライバルとの初バトルで、わしの闘志は確実に燃え上がったんじゃ。




