ハブ酒97
力関係が完全に逆転した訳ではない。
『ドゥルルルルルルル!!!!!!!!』
(力だけで言えば6対4だが、環境は4対6か……)
瘴気が溢れる怪物が有利な環境だが、ドラゴンは息を乱しながらでも、戦う事が出来ている。
五分五分の状態での戦い、どちらが有利かと言えば、
『『『『『ふふふっ……どちらが先に息切れをするかな?』』』』』
『息切れなら私だが、その前に消滅するのはお前だ』
『『『『『ならば、時間を掛けさせて貰おうか』』』』』
時間が掛かれば、不利になるドラゴンの方が軍配が悪いと言える。
『ふぅ……ボォォォォォォォォォォ!!!!!!!!!!!!』
息を整えて吐き出し炎は、周囲の瘴気を焼き払いながら、怪物の体を燃やす……が、
『『『『『ドラゴンに炎は効くのかね?』』』』』
『程度の悪いドラゴンになら効く』
『『『『『ならば我々は、極上なドラゴンという事か』』』』』
怪物はもう、ドラゴンの炎を掻き消すような事はしない、炎を纏ったまま龍の首を伸ばし、
『『『『『今度はこちらのも味わって貰おう!!!!!!!!』』』』』
龍の口が開口されると、そこには紫の雷が、涎のようにネチェネチャしている。
『良いだろう……受けて立ってやる』
怪物が、こちらの炎を受けて平然とするのなら、こちらも力を示すまで。
『バチュバチュバチュバチュバチュバチュ!!!!!!!!!!』
怪物の涎が溢れ出て、ねっとりと野太い雷が形成されていき、
『『『『『喰らってみろ!!!!!!!!』』』』』
『ブチュッルルゥゥゥ!!!!!!!!』
紫の雷がドラゴンに絡み付く。
『ぐっ………………………………ぐぅ……………!!!!!!!!!!!!!!』
普通の雷の、一瞬の爆発力のある痛みとは違う感覚。
逆立った鱗を持つ蛇が締め付けるような苦しみ、皮膚が膨れがるような不快感。
『『『『『どうだね、我々の力は?自分達で言うのも何だが、ドラゴンよりも優れていると思う』』』』』
『あまり…………自惚れない事だな……』
ドラゴンは口から炎を吐き出すと、自分の身を焼いて、紫の雷を掻き消す。
『『『『『さすがは古の戦士!!!!!!さすがは古のドラゴン!!!!!!その力は素晴らしい!!!!!!』』』』』
紫の雷を炎で掻き消した事に、怪物は感嘆の声を漏らして、ドラゴンを誉めたえるが、
『『『『『だがしかし……耐えられなかったな』』』』』
ドラゴンがその身一つで耐え切れずに、炎を吐いた事をほくそ笑んで指摘する。




