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ハブ酒8

普段の食事は何とかなる。



一週間の食材を与えられてはいるが、あれはそれだけで過ごせという事ではない。



食材を無駄にせずに自分で作れる物を、料理が出来るようになるのが主眼であり、食材を使い切れば、新たに食材の要請も出来る。



食事がガソリンなら、水はオイル。



食事で摂った栄養を溶かし、血液に栄養を混ざり込ませて体に届け、それと体に溜まった不要な物を排泄する為にも、水は必要になる。



火内は、食材をあえて早めに使い切り、水分量が多い食材を追加支給して貰っているが……それでどうにかなる話ではない。



現に、リナの独占上である肉体を使った訓練の時間では、



「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ……」



息切れを起こして、顔から脂汗が浮かぶ。



「リナ」



「大丈夫……」



それはガソリンを入れて、ドロドロのオイルで血液を循環させている弊害……体に栄養は溜まるが、それが体に正しく吸収されない……それなのに体に異常に溜まった栄養を、排出出来ないという悪循環がリナを苦しめる。



水を飲まないと人は死ぬというのはそうだが、リナの場合は話が違い過ぎる。



________



(水が足りないな……)



食事を担当している火内が水の管理も任されているのだが、ポリタンクの中の水と睨めっこしながら、テカテカな髪を指先でいじる。



お尻まで伸びる赤い髪を手入れしたい気持ちはあるが、水を無駄には出来ないから、整髪料を塗り込んで無理矢理に整えている。



指に絡む整髪料でポリタンクに線を引くと、予想よりも減りが遅い。



リナには教えていないが、小此木は軍に呼び出される度に水を飲んで来てるらしく、水の節制になっている……それはルール違反ではと聞かれたら、そんな事は知らない……自分も団地に戻った時は水を飲んでいる。



ルール違反をしているのなら、団地から水を持って帰れば良いじゃないかと思うかもしれないが、



「君、ちょっと良いかい」



水を外から運び入れていないか、巡回をしている上級生に捕まった。



それは学校の方から連絡で来た見張り、早い段階で特例を使って水を運び入れるなという警告だった。



もちろん、こちらとしても変な事をして、団地にいる凛に迷惑を掛けたく無いから、団地から水を運び入れたりしない。



(だけど、ミィオに一番驚かされたな……)



出来る限りの水の節制、ちょろまかしを自分達はしているが、それに比べてミィオは本当に水をギリギリにしか使わない。

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