ハブ酒88
怪物は強い……いや違う、存在そのものが違う。
もちろん、その存在そのものが違うモノに、対抗する為に造り出されたD兵器であるが、
『『『『『お主も喰らうから待っておれ』』』』』
「ぐぉああぁあああぁあぁああぁあぁあぁああぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
怪物の手から放たれた雷撃がD兵器を撃つと、内部に暗い稲妻が走りコクピットを焼く。
『モノ』に対抗する為に、装甲はマナを混ぜ込んでいる特殊仕様となっているが、気休めにしかならない。
「うっ…あぁ……」
焼かれたコクピットに暗い闇が充満し、自分がいる所が一瞬で地獄の底に変わったのではないかと、もうあの世に来てしまったのではないかと、レバーから手が離れそうになるが、
『逃げろ……四号機が……戻って来る…………逃げるん………だ………………』
「隊……長…………」
血のようにマナを垂れ流す一号機から、まだ隊長の声が聞こえる。
トリガーを引けばまだ、ガトリング砲は吠えるはず……離しかけた手に力を入れて、レバーを引いて怪物に照準を合わせ、
「喰らえぇ……」
『ドゥルルルルルルル!!!!!!!!!!!!!』
トリガーを引くと、D兵器はまだ吠えてくれる……が、
『『『『『我慢強いのぅ!!!!!!!!!!!!!焼いたつもりだったが!!!!!!!!!!!!!』』』』』
それは怪物にとっては些細な事で、致命傷にならない所か、かすり傷にすらならない。
『『『『『どらどら、そろそろ喰ら……う???こんな所に人がおるわい……』』』』』
まだ抗おうとするD兵器をしぶといとなと笑い、ドラゴンを喰らおうとしたのだが、そこには5人の女子供がいる。
パワードスーツを着用していない事から、非戦闘員なのだろう。
『『『『『…………………………』』』』』
脅威になるような相手ではないのだが、何となく気になってしまう。
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「…………」
「…………」
全員で口を紡ぐ、龍の眼が自分達を見ているから。
「何を見ているんだ!!!!」と、一言言ってやりたいが、そんな一言を言えば殺される。
「…………」
「…………」
隠れる場所も無く、姿を晒け出してるのだが、それでも全員で息を潜め、龍の眼が逸れるのを待つしかない。




