ハブ酒81
________
「民間人を避難させてくれ」
『民間人の死傷は作戦に含まれていない、敵を倒す事が……』
「そういう話をしているんじゃない、あれは人の死を喰らっている。ビルの中にいる人間がそのまま、アレのエネルギー源になっている」
『了解した、至急手配する』
戦闘ヘリが、無人エリアに連れ出す予定であったが、怪物は都市エリアから出ようとしなかった。
D兵器を民間人の目に触れさせたくなかったが、怪物を始末する事を優先するという事で、市街地での戦闘が始まる。
『『『『『……………………!!!!!!!!……………!!!!!!』』』』』
マナ鉱石を使った通信機は、怪物の言葉を拾うが、ノイズとなっているせいで判別が付かないが、複数のモノが喋っているような感じがする。
「接近戦は行うな、距離を保って叩け」
『『『了解』』』
自分を含めての、ドラゴンを模したD兵器は四機、一機は出遅れているから後々五機にはなる。
腕部に備わっているマナを充填したガトリング砲にクロー、それと胸のカノン砲で怪物と戦うのだが、カノン砲に付いては、切り札的な武器なので、まずはガトリング砲で牽制から始める。
『『『『ドゥルルルルルルルル!!!!!!!!』』』』
四機のD兵器、全ての両腕から放たれる8門のガトリング砲が、怪物の体を撃ち貫くが、それでも傷は塞がってしまう。
「T-REXを放ったのは失敗だったな」
エルフ達のドラゴンもどきが襲撃して来たという時点でスクランブルの準備はしていたが、T-REXの実験をするという話で、出撃は見送られた。
そんな事をすれば、民間人に被害が出るのは分かっていたが、D兵器を晒すつもりは無いという考えは理解出来たので、規律違反して出撃するような真似はしなかったが、
「こうも人の死を吸われてはな……」
人の死を吸う怪物が相手ならば、話しは違った。
出撃する前の待機時間の間、戦況を逐一聞いていたが、港を襲撃された後、近くの基地を落とされて武装を奪われたという話を聞いた時点で、向こうも随分と本気だとは思ったが、
『『『『『…………!!!!…………!!!!』』』』』
まさか、人の死を喰らう怪物をぶつけてくる程に、本気とは思っていなかった。
先に送られた敵が、この怪物が戦える環境を作る事を命じられているのが分かっていたのなら、上層部もT-REXの実験とかそんな事はしなかったはず。




