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ハブ酒79

「ドラゴンが出てくるのが分かっていたら、D兵器を最初から出していたのだがな……」



対エルフ用の兵器、民間人の目に触れさせたくないというのもあって、出し惜しみしたが、出迎えの意味でもD兵器を出して良かった。



「突発なデートに対応出来るのが男の甲斐性(かいしょう)というものだが、私もまだまだだな」



「今からでも、花束を用意しましょうか?」



「トラックに常備するようにしておいてくれ」



将校は、運転手に手を振ってから倉庫の方に歩き出し、



「こちらです」



それに合わせて、兵士が倉庫の中へと続くドアに手を掛けると、



『ドゴォォォォォォ!!!!!!!!』



「なんだ!!⁉」



D兵器の出入りする方の搬入口から鋼鉄の指先が飛び出す。



「こちらに避難して下さい!!!!」



『ベキベキベキベキ!!!!!!!!』



搬入口が無理矢理にこじ開けられる。



「ドラゴンが暴れ出した、至急D兵器を!!!!」



「やめないか!!!!」



兵士達は、倉庫の搬入口が破壊される様を見て、防衛で出しているD兵器を呼ぼうとすると、将校が大きな声を出してそれを制し、



「せっかくの晴れ舞台を台無しにする気か!!!!!!」



これから、起きる事を見届けろと命令する。



『バキバキバキメキメキメキメキメキメキメキメキ!!!!!!!!』



「いつの日にと思って、用意しておいたドラゴン用の装備であったが……」



『バッッゴォォォ……………ガァシィンン……ガァシィンン……ガァシィンン……ガァシィンン……』



搬入口を完全に破壊して、倉庫の中から姿を現すのは、



「これが長年の夢…積年の願い……」



アーマーを身に着けたドラゴン。



それは予想していた事であった。



長い年月が流れればドラゴンといえど、その力は通用しなくなるかもしれない。



『ガァシィンン……ガァシィンン……ガァシィンン……ガァシィンン……』



それは空を支配したプロペラ機が、年月の流れによって生まれたジェット機に取って代わられるように、いつの日かドラゴンと同等かそれ以上に凶悪の生命体が現れて、ドラゴンが古い命になる時代が来ると予想して造られた力。



『ガァシィンン……ガァシィンン………………』



鋼鉄の鎧を身に纏ったドラゴンが足を止めて、ヘルメットのバイザー越しに、将校達を見つめる。



「素晴らしい格好だ……そのアーマーは壊して構わん……思う存分やって来るんだ……」



『…………ガァシィンン……ガァシィンン………………』



将校の言葉に頷くと、ドラゴンは再び足音を鳴らして、滑走路へと向かっていく。

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